研究課題
大田原症候群は小児難治性てんかんの一つで、Munc18-1に多くの変異が発見されているが、Munc18-1の異常とてんかん発症の詳細な分子メカニズムはよくわかっていない。本研究は、線虫をモデル動物として用い、大田原症候群で同定されたMunc18-1の点突然変異を導入した疾患モデル動物を作成するとともに、変異と神経機能異常の関係をシナプス-回路-行動のレベルで統合的に解析し、分子病態を明らかにすることを目的としている。本年度は、研究実施計画に基づき実験を行い、以下の結果を得た。①線虫Munc18-1ホモログにミスセンス変異を導入し、変異タンパク質を発現する遺伝子改変動物を樹立した。②ニューロンでの変異タンパク質の発現安定性を調べるため、2Aペプチドを利用して、変異タンパク質-GFP融合タンパク質と赤色蛍光タンパク質を等モルずつ発現する系を構築した。赤色蛍光タンパク質を発現している神経細胞について融合タンパク質の発現を調べた結果、シナプスでの発現の低下および細胞体での封入体の形成が認められた。③行動薬理学的解析により、コリンエステラーゼ阻害薬、痙攣誘発剤等に対する感受性を検討した結果、正常個体と比較して感受性異常を示し、シナプス伝達の異常が示唆された。また、アミノ酸置換によって表現型の重篤度に差が認められた。④シナプス伝達異常を詳細に解析するため、シナプス前ニューロンを光刺激し、シナプス後細胞での応答をイメージングする系の開発を試みた。運動ニューロンにチャネルロドプシンを発現させることにより、光刺激依存的に筋の収縮・弛緩を誘発する系と筋活動を蛍光カルシウムセンサーにより定量的に測定する系を構築した。
24年度が最終年度であるため、記入しない。
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