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2011 年度 実績報告書

嗅覚の恐怖行動を誘引する神経回路の解明

研究課題

研究課題/領域番号 22500354
研究機関東京大学

研究代表者

斉藤 治美  東京大学, 大学院・理学系研究科, 特任研究員 (20311342)

キーワード恐怖行動 / 神経回路 / 嗅覚受容体
研究概要

嗅覚は、生命維持のために必要な動物の行動に密接に関与する最も重要な感覚の1つで、進化の過程で原始から現在に至るまで保存されてきた感覚である。自然界には数十万といわれる匂い分子が存在し、昆虫、魚類、両生類、哺乳類などあらゆる動物は、これらの匂い分子を情報コードとして受容し、種の保存あるいは個体の生命維持に必要な行動(例えば食べ物を探す、天敵の接近など身の危険の察知、交配相手や親子の認識を含む社会行動など。)を誘引する。
本研究は、嗅覚という感覚から誘導される行動の中でも特に天敵臭によって誘引されるマウスの恐怖行動をモデルに、脳内の高次機能、神経回路のダイナミックスおよび記憶・学習によって可変性を解剖学的、生理学的、および分子生物学的見地から探ろうとするものである。これまでに狐の肛門腺から分泌されるTMT(2,5-dihydro-2,4,5-trimethylthiazoline)の匂い刺激によって先天的な恐怖行動を誘引する神経回路を解剖学的に明確にすることを目指し、まずは末梢レベルから段階的に検証していくために最初のステップとしてTMTと結合する嗅覚受容体(OR)を同定した。平成23年度はさらにこの受容体を発現する神経を人為的に活性化させることのできる改変マウスを作製することが出来た。また、無麻酔状態のマウスの匂い刺激に対する行動と嗅球における神経活動を同時解析するシステムもセットアップし、これによって匂い刺激によるマウスの行動様式の詳細を、時間経過を追って解析することが出来るようになった。この解析システムは今後改変動物を用いた神経回路の同定のための実験に用いる予定である。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

2: おおむね順調に進展している

理由

計画道理に着実に進んでいる。しかし、留意すべき点は、これから改変マウスを用いた実験結果が明瞭でない場合のことを考慮して、それに対処する実験も現在準備中であるがこれを早急に進めたい。

今後の研究の推進方策

神経回路の探索を末梢レベルから高次中枢へと進める為に改変動物の作製とウイルスを用いた実験をセットアップする。

  • 研究成果

    (3件)

すべて 2012 2011

すべて 学会発表 (3件)

  • [学会発表] Isolation of odorant receptor genes for fearful responses in the mouse2012

    • 著者名/発表者名
      齊藤治美
    • 学会等名
      日本生理学会
    • 発表場所
      信州大学(長野・松本)
    • 年月日
      2012-03-30
  • [学会発表] Isolation of odorant receptor genes for fearful responses in the mouse2011

    • 著者名/発表者名
      齊藤治美
    • 学会等名
      日本分子生物学会
    • 発表場所
      横浜パシフィコ(神奈川・横浜)
    • 年月日
      2011-12-13
  • [学会発表] Isolation of odorant receptor genes for fearful responses in the mouse2011

    • 著者名/発表者名
      齊藤治美
    • 学会等名
      Frontiers in Neuroscience
    • 発表場所
      国際高等研究所(京都府・木津川市)
    • 年月日
      2011-12-06

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公開日: 2013-06-26  

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