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2010 年度 実績報告書

シナプス微細構造が定める信号伝達特性の解明

研究課題

研究課題/領域番号 22500362
研究機関生理学研究所

研究代表者

松井 広  生理学研究所, 大脳皮質機能研究系, 助教 (20435530)

キーワード脳・神経 / 神経科学 / 生理学 / シナプス / 伝達物質 / シミュレーション / 微細形態学
研究概要

多くの神経細胞同士は、ごく小さい面で互いに接しており、このシナプス接合部において、信号の受け渡しが行われている。この狭い空間に、脳における情報処理の本質の多くが詰まっているのだが、シナプス形態のわずかな違いや発現している分子の数・分布等のわずかな揺らぎによって、信号伝達特性が大きく変わることが予想される。本研究では、シナプスの微細構造が神経細胞間の信号伝達特性にどのような影響を与えるのかを調べ、生理的機能を果たすのにどのように役立っているのかを明らかにすることを目的とする。まずは、シナプス間隙に放出されたグルタミン酸がどのように拡散するのかを明らかにしなければならない。そこで、形態的特徴が比較的単純なcalyx of Heldシナプスに注目した。このシナプスにおいて、凍結割断レプリカ標識を施すことで、シナプス内外のグルタミン酸受容体の二次元分布に関する予備データを得た。また、単一シナプス小胞放出による素量応答を電気生理学的に解析することにも成功した。形態と生理のデータが得られたので、あとは、グルタミン酸受容体の応答動態モデルが作製できれば、シナプス間隙におけるグルタミン酸拡散と受容体応答をシミュレーションすることが可能になる。そこで、シナプス後膜の一部を切り剥がして、グルタミン酸を高速投与する方法を適用して、応答の解析を行っている。まだ必要な受容体モデルを作製するに至っていないが、伝達物質の拡散と受容体応答をシミュレーションする方法の開発には成功した。受容体モデルが得られた暁には、実際のシナプス素量応答を再現できる条件を探ることで、小胞内に詰まったグルタミン酸分子数、およびグルタミン酸拡散係数を推定することを目指す。

  • 研究成果

    (4件)

すべて 2010

すべて 雑誌論文 (1件) 学会発表 (3件)

  • [雑誌論文] Presynaptic, postsynaptic, and morphological determinants of signal transmission at the retinogeniculate synapse2010

    • 著者名/発表者名
      Ko Matsui, Timotheus Budisantoso, Naomi Kamasawa, Yugo Fukazawa, Ryuichi Shigemoto
    • 雑誌名

      Neuroscience Research

      巻: 68S ページ: e222

  • [学会発表] 網膜-外側膝状体シナプスにおける信号伝達特性を規定する要因の解明2010

    • 著者名/発表者名
      松井広、Timotheus Budisantoso、釜澤尚美、深澤有吾、重本隆一
    • 学会等名
      日本神経科学会
    • 発表場所
      神戸コンベンションセンター(兵庫)
    • 年月日
      2010-09-03
  • [学会発表] シナプス微細構造が定める信号伝達特性の解明2010

    • 著者名/発表者名
      松井広
    • 学会等名
      生理学研究所研究会「シナプス可塑性の動作原理」
    • 発表場所
      生理学研究所(愛知)
    • 年月日
      2010-06-10
  • [学会発表] Presynaptic, postsynaptic, and morphological determinants of signal transmission at a central synapse2010

    • 著者名/発表者名
      Ko Matsui
    • 学会等名
      NIPS International Workshop
    • 発表場所
      岡崎コンファレンスセンター(愛知)
    • 年月日
      2010-06-02

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公開日: 2012-07-19  

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