研究課題/領域番号 |
22500363
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研究機関 | 秋田大学 |
研究代表者 |
尾野 恭一 秋田大学, 医学(系)研究科(研究院), 教授 (70185635)
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研究分担者 |
大場 貴喜 秋田大学, 医学(系)研究科(研究院), 助教 (80431625)
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研究期間 (年度) |
2010-04-01 – 2013-03-31
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キーワード | 肺静脈 / 心房細動 / ノルエピネフリン / 一過性内向き電流 / イノシトール3リン酸 / Na-Ca交換 / 自動能 / 不整脈 |
研究概要 |
臨床上最も頻度の高い不整脈である心房細動は、その起源が主に肺静脈であることが知られている。また、肺静脈には組織学的に自律神経が豊富に分布しており、心房細動と自律神経の関わりが盛んに論じられている。本研究では、ラット肺静脈より単離した心筋細胞を用いノルエピネフリン(NE)による自動能を解析・検討した。ラット肺静脈心筋細胞はノエルエピネフリンにより4-5Hzの自発性活動電位を生じた。自動能の出現前後で膜抵抗に変化を認めず、電圧固定条件では固定電圧によらず内向きの振動性電流が認められ、さらに選択的NCX阻害薬により自動能が停止した。以上のことから,NE誘発自動能は細胞内Ca貯蔵部位からのCa放出がNa-Ca 交換輸送体(NCX)を活性化することにより生じていることが示唆された。 免疫組織化学的には、肺静脈心筋細胞は心房筋細胞に比べて大型で筋線維に富んでおり、T管が発達していることが示された。また、NCXとInsP3Rについての免疫細胞化学では、両者がT管に沿って共局在していることがわかった。以上より、肺静脈心筋においてInsP3RとNCXが共役して催不整脈性の自動能を惹起する事が示唆された。これらの実験結果はJournal of Molecular and Cellular Cardiology誌に発表した。 さらに、肺静脈心筋細胞には過分極によって活性化される内向き電流が存在する。本電流は、洞房結節細胞の過分極活性化陽イオンチャネルに酷似した電流電圧関係や電位依存性キネティクスを有するものの、NaやKに対しては透過性を示さず、Clによって運ばれることが判明した。さらに、NE誘発自動能がClチャネル阻害剤によって抑制されることから、肺静脈の自動能にはClチャネルが関与している可能性がある。現在、本チャネルについての解析を継続している。
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現在までの達成度 (区分) |
理由
24年度が最終年度であるため、記入しない。
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今後の研究の推進方策 |
24年度が最終年度であるため、記入しない。
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