研究課題
計画1.Focused proteomicsによる、血管平滑筋異常収縮シグナル分子のリン酸化部位の決定独自開発した方法を更に改良し、リン酸化ペプチドの濃縮の収率と選択性を高め、質量分析計の測定モードをリン酸化ペプチドに対して高感度化した。その結果、研究開始前は決定できなかった、血管平滑筋異常収縮シグナル伝達に関わる細胞骨格関連蛋白質のリン酸化部位を、高感度タンデム型質量分析計(研究室に現有)を用い、新たに決定する事ができた。計画2.RNA干渉と自動細胞イメージングシステムによる、細胞骨格関連蛋白質の血管平滑筋異常収縮に与える影響のハイスループット解析独自開発のアルゴリズムを更に改良して、異常収縮と細胞骨格構築変化に伴い変動する複数のパラメータの検出に成功し、定量的な解析を可能にした。更に、候補分子のsiRNAの導入条件(配列・濃度・時間)を最適化した。計画3.細胞骨格関連蛋白質の、細胞骨格動態および血管平滑筋収縮への関与のin vitro解析培養血管平滑筋細胞において、細胞骨格関連蛋白質の異常収縮刺激時の動態変化を、免疫染色と高解像度蛍光顕微鏡で解析し、アクチンフィラメントと中間径フィラメントの構築が、それぞれ独立した動態変化を示す事を明らかにした。計画4.細胞骨格関連蛋白質の、血管異常収縮シグナル分子との相互作用解析同定した細胞骨格関連蛋白質の一つが、既に見出した異常収縮シグナル分子と実際に相互作用する事を検討した。計画5.組織レベルでの解析研究分担者の小林が開発したbeta-escinスキンド血管平滑筋標本に、同定した細胞骨格関連蛋白質を導入するため、組換え蛋白質の発現ベクターを構築中である。計画6.in vivo解析血管攣縮モデルマウスの作成に向け、血管攣縮を高い成功率で誘発する技術を、ほぼ確実なものとした。
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The Journal of Physiological Sciences
巻: 60(Supplement 1) ページ: S10
日本平滑筋学会雑誌
巻: 14 ページ: J-14