研究課題
アストロサイトはその突起でシナプスを取り囲む構造をつくり、自律的あるいは神経活動に応答した細胞内カルシウムイオン(Ca2+) 濃度変動を起こすことが近年分かってきたが、高次脳機能におけるアストロサイト内Ca2+ 濃度変動の機能的意義は明らかになっていなかった。そこで本研究では、より高次な個体レベルの実験系を利用することにより、アストロサイト内Ca2+ 濃度変動が高次脳機能において担う役割を調べ、その神経活動調節における作用機序がどのようなものかを明らかにした。H24年度においては、「アストロサイト内Ca2+ 濃度変動抑制マウス」において、アストロサイト内Ca2+ 濃度変化が抑制されていることを確認するため、海馬脳スライスを用いて刺激に対する細胞内Ca2+ 濃度変化を調べた。具体的には、アストロサイト特異的にtTAを発現するGLT-1-tTAマウスラインにtetO-GCaMP2.0マウスラインを交配し、さらにTRE-IP3-spongeマウスラインを交配してトリプルTgを作製し、このマウスを用いてカルシウムイメージングを行った。そして、「アストロサイト内Ca2+ 濃度変動抑制マウス」では海馬CA1領域のアストロサイトで刺激に応答したCa2+ 濃度変化が抑制されていることを明らかにした。本研究で得られた結果を論文としてまとめ、Mol Brain. 2013 Jan 28;6:6. doi: 10.1186/1756-6606-6-6.に発表した。
24年度が最終年度であるため、記入しない。
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Mol Brain. 2013 Jan 28;6:6.
巻: 6 ページ: -
doi: 10.1186/1756-6606-6-6.