研究課題/領域番号 |
22500371
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研究機関 | 新潟大学 |
研究代表者 |
中原 潔 新潟大学, 研究推進機構, 准教授 (50372363)
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キーワード | ウイルスベクター / 霊長類 / 視覚野 / 線条体 / 遺伝子導入 |
研究概要 |
本計画は、アデノ随伴ウイルスベクター(AAV)によってチャネルロドプシン(ChR2)またはハロロドプシン(NpHR)を霊長類個体の大脳皮質神経細胞に発現させ、光を用いて霊長類個体の神経細胞活動や行動をリアルタイムに実験的に操作する系の確立を目指し、さらにこの新技術をマカクサル下側頭葉連合野に存在する視覚性対連合記憶を担う神経細胞ネットワークに適用し、記憶の神経回路メカニズムを解明することを目指すものである。 AAV8型及び9型が霊長類脳への遺伝子導入に特に適することを見出したので、これらベクターの霊長類脳における感染様式を詳細に検討した。ユビキタス・プロモーター下にEGFP遺伝子を組み込んだAAV8および9を、マカクザル及びマーモセットの一次視覚野及び線条体に注入したのち、組織学的解析を行った。その結果、これらベクターは霊長類脳においてほぼ神経細胞特異的に遺伝子を導入すること、さらに神経細胞への感染様式として樹状突起及び細胞体からの順行性感染に加えて、軸索終末からの逆行性感染を示すことが明らかとなった。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
霊長類脳に対するAAV8及びAAV9による効果的な遺伝子導入法の開発に成功し、新たに論文2報の発表に至ったことから、おおむね順調に進展しているものと考える。
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今後の研究の推進方策 |
光遺伝学手法を霊長類側頭葉記憶システムに適用することを目指す。その際、光遺伝学手法と多点電極による皮質脳波記録とを組み合わせることによって、記憶システムの神経活動を時空間的な広がりをもって操作するとの着想を得たので、この方向性で研究を推進する。
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