研究課題/領域番号 |
22500378
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研究機関 | (財)国際科学振興財団 |
研究代表者 |
堀 美代 (財)国際科学振興財団, バイオ研究所, 研究員 (90399329)
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研究分担者 |
村上 和雄 (財)国際科学振興財団, バイオ研究所, 所長 (70110517)
坂本 成子 (財)国際科学振興財団, バイオ研究所, 研究員 (60419869)
大西 淳之 東京家政大学, 家政学部, 准教授 (40261276)
一谷 幸男 筑波大学, 人間総合科学研究科, 教授 (80176289)
山田 一夫 筑波大学, 人間総合科学研究科, 准教授 (30282312)
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キーワード | Ticling / 情動 / 幼若期 / ストレス / 遺伝子発現 |
研究概要 |
本研究では、幼若期における情動の形成や脳の発達に対する快刺激の関与を解明することを目的とする。本年度は社会隔離飼育(SI)下の仔ラットを用いて、快刺激のストレス耐性効果を、個体のストレス応答性の変化として捉え検証した。快刺激としては、仔ラット同志の遊び(Rough and tumble play)をモデルにしたtickling刺激法を活用した。快情動の賦活化は、tickling刺激によって表出される50kHzの発声と、接近潜時時間を指標として解析し、評価した。離乳直後(21日齢雄)のF344/Nラットを個別飼育し、継続的に4週間tickling刺激を施した群と対照群の個別飼育群、集団飼育群に対して、恐怖条件づけへの影響を、保持テストのフリージング反応、視床下部-下垂体-副腎皮質(HPA)系および自律神経系への作用によって解析した。我々の先行研究では、SI期間中2週間に渡ってtickling刺激を施したラットにおいて、恐怖条件づけによるストレス応答性が軽減されることを見出した。今回、SI期間中4週間に渡ってtickling刺激を施した仔ラットにおいても、同様にフリージング反応の減少が確認された。このことはtickling刺激が、SIによって生じるストレス反応の亢進を緩和できる可能性を示唆している。一方、HPA系および自律神経系の応答について調べたところ、SIの期間およびtickling刺激期間の長さの違いによって異なった。これらの結果から、発達期における仔ラットでは、隔離飼育される期間に応じて生じるストレス応答性が変化し、それと同時にtickling刺激の効果も変化することが示唆された。
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