研究課題
本研究では、Cre/loxPシステムを利用したマウスでの時期・組織特異的遺伝子改変技術に加え、新規に開発された部位特異的組換え酵素とその標的配列であるDre/roxシステム、組換え効率の向上化が進められているFLP/FRTシステムをさらに組み合わせることで、マウス生体での高度な遺伝子改変を行う技術基盤の確立を目的とする。平成24年度においては、以下の実験を実施した。1) 平成23年度において、内皮細胞系列での発現誘導に有用であり、かつ、Rosa26遺伝子座の代替となることが期待される、CGH4遺伝子座(Ichise et al., 2010)を標的とした、効率の高い遺伝子改変ES細胞の作出系を確立した。その系を用いて、解析対象とする野生型あるいは変異型タンパク質をコードするcDNAおよびIRES配列支配下にあるレポーター遺伝子の発現誘導が可能なコンストラクトを相同組換えによって導入したES細胞クローン4種類を得た。それらのクローンを用いてマウス4系統を作出し、Creドライバーマウスとの交配によってcDNAおよびレポーター遺伝子の発現を誘導した。発現誘導を行なった4種類の野生型あるいは変異型タンパク質の発現パターンをそろえることで、タンパク質間での機能的差異の比較、検討を成功裡に進めることができることを確認した。2) Cre/loxP組換えによって遺伝子発現誘導が可能な導入遺伝子をCGH遺伝子座に導入した前述のES細胞株を用いて、Cre/loxPシステムとは独立して発現誘導が可能である、rox-pA-roxあるいはFRT-pA-FRTのカセット下流に他のcDNAを配置したコンストラクトを、Rosa26遺伝子座に導入した。
24年度が最終年度であるため、記入しない。
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PLoS One
巻: 7 ページ: e51639
10.1371/journal.pone.0051639
The Journal of Biological Chemistry
巻: 287 ページ: 22241-22252
10.1074/jbc.M111.329987