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2011 年度 実績報告書

サリドマイドに感受性を示すマウス胚内の遺伝子を標的としたアザラシ肢症発症の種差

研究課題

研究課題/領域番号 22500398
研究機関国立医薬品食品衛生研究所

研究代表者

北嶋 聡  国立医薬品食品衛生研究所, 安全性生物試験研究センター・毒性部第五室, 室長 (30270622)

キーワード催奇形性 / トキシコゲノミクス / マウス胚
研究概要

本研究の目的は、ヒトで催奇形性を示すがげっ歯類では示さないサリドマイドの分子種差を詳細に明らかにすることであり、以って、その有効薬剤としての多標的性と安全性を両立した新規誘導物質の設計に寄与するとともに、現行のウサギなどを用いた催奇形性評価の近代化に資するものである。
このために、サリドマイドを経胎盤単回投与した際の胚肢芽について、網羅的に遺伝子発現変動を解析し、文献情報および先に実施した時間的・空間的な発現パターンの検討結果と照合し、候補シグナルネットワークを得る。次いで、当該ネットワークを変調させる化学物質を投与し、サリドマイド誘発奇形が生じないマウス胚にて奇形誘発実験を検討し、その妥当性を検証する。
平成23年度は、平成22年度に得られた、1,000mg/kgサリドマイドを経胎盤単回投与した際の胚後肢・肢芽(胎生10.5日)において発現変動を示した遺伝子(計2,103プローブセット[ps])について、その遺伝子欠失マウスの文献情報との照合,及びin silicoでのプロモーター解析を利用することにより、標的候補シグナルネットワークの絞り込みを検討した.あわせてこの検討結果と、肢芽形成以前の初期胚(胎生8.5日)の遺伝子発現変動解析から得た、発現変動遺伝子(計194ps)及び、独自に見いだしたサリドマイド催奇形に関係する候補分子(X遺伝子)のシグナルネットワークと比較・検討し、候補分子あるいは当該分子カスケードの絞り込み作業をおこなった。発現変動する機能未知の遺伝子が予想よりも多かった為、予定より絞り込み作業は遅れたが、別の解析ソフトを利用し、より高精度な解析により進捗することができた。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

3: やや遅れている

理由

発現変動する機能未知の遺伝子が予想よりも多かった為、関係するシグナルネットワークの探索に時間を費やした。

今後の研究の推進方策

マウスにおいては、サリドマイド催奇形が生じないことが知られている。したがって、潜在的に奇形に関係する遺伝子の発現変動が生じているにもかかわらず、変動幅の少なさなどから、奇形が生じない可能性が考えられる。そこで、候補分子カスケードを、活性化あるいは阻害など機能を修飾する化学物質を併用し、サリドマイド誘発奇形が生じないマウス胚にて奇形を誘発させる実験をおこない得られた候補遺伝子の妥当性を検証する。

  • 研究成果

    (4件)

すべて 2012 2011

すべて 雑誌論文 (1件) (うち査読あり 1件) 学会発表 (2件) 図書 (1件)

  • [雑誌論文] Development of Humanized Steroid and Xenobiotic Receptor Mouse by homologous knock-in of the human Steroid and Xenobiotic Receptor Ligand Binding Domain sequence2012

    • 著者名/発表者名
      Igarashi K, Kitajima S, Aisaki K, Tanemura K, Taquahashi Y, Moriyama N, Ikeno E, Matsuda N, Saga Y, Blumberg B, Kanno J
    • 雑誌名

      J Toxicol Sci

      巻: 37巻 ページ: 373-380

    • 査読あり
  • [学会発表] パーセローム(Percellome)法を用いた定量的トランスクリプトミクスによる遺伝子発現ネットワーク描出による毒性解析の試み2011

    • 著者名/発表者名
      菅野純、相崎健一、北嶋聡
    • 学会等名
      第34回日本高血圧学会総会
    • 発表場所
      栃木県総合文化センター
    • 年月日
      2011-10-22
  • [学会発表] Percellomeプロジェクト・オンライン解析システム2011

    • 著者名/発表者名
      相崎健一、五十嵐勝秀、種村健太郎、安彦行人、高橋祐次、高木篤也、北嶋聡、菅野純
    • 学会等名
      第38回日本トキシコロジー学会学術年会
    • 発表場所
      パシフィコ横浜会議センター
    • 年月日
      2011-07-13
  • [図書] Hormone-Disruptive Chemical Contaminants in Food Chapter11 Application of Percellome Toxicogenomics to Food Safety2011

    • 著者名/発表者名
      J.Kanno, K.Aisaki, K.Igarashi, N.Nakatsu, Y.Kodama, K.Sekita, A.Takagi, S.Kitajima
    • 総ページ数
      184-198(14)
    • 出版者
      Royal Society of Chemistry

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公開日: 2013-06-26  

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