研究課題
本研究では,臨床現場でストレス関連疾患の非侵襲的な即時診断に利用できる診断技術として,これらの疾患と関連性が強い特定の唾液中ホルモンであるコルチゾールを指標 (バイオマーカー) とし,その検出に抗原-抗体反応を用いる高感度なイムノセンサを開発することを最終目的とした。本年度は,唾液採取器具の考案・試作,診断アルゴリズムの考案と,試作したイムノセンサの総合評価を行った。1. 唾液採取器具の開発:唾液の自動定量採取に用いられる使い捨て式の唾液採取チップとして,3ステップで唾液を定量することができる専用器具を考案した。射出成形で量産試作した唾液採取器具において,変動係数CVは最大で8.8%に抑えられ,テストラインの位置を設定することで,所定量の唾液が採取可能であることを示した。2. 診断アルゴリズム:唾液コルチゾール濃度は個人差が大きいが,朝平均値/夕方平均値の比を用いれば,一般的精神健康調査28項目版 (GHQ-28) のうつ傾向という非常にわずかな心理的変化を判定できる可能性を示した。しかし,1日だけの測定精度はそれほど高くなく,数日間繰り返し測定することに意義があると考えられた。3. 総合評価:実証実験は,岩手県内のA中学校の協力を得て,時期を変えて2回実施した。濃度0.1 – 10 ng/ml の範囲において,従来法であるELISAに対して,相関係数R^2= 0.92の良好な特性が実証された。
24年度が最終年度であるため、記入しない。
すべて 2013 2012 その他
すべて 雑誌論文 (7件) (うち査読あり 5件) 学会発表 (5件) (うち招待講演 1件) 図書 (1件) 備考 (1件) 産業財産権 (2件)
Biosensors & Bioelectronics
巻: Vol.41 ページ: 186-191
The Journal of International Medical Research
巻: Vol.40, No.4 ページ: 1429-1437
The Journal of Physiological Sciences
巻: Vol. 62 ページ: 191-197
10.1007/s12576-012-0197-8
ライフサポート
巻: Vol. 24 ページ: 123-127
Journal of Oral and Maxillofacial Surgery
巻: Vol.70 ページ: 2256-2263
10.1016/j.joms.2012.03.005
Bio Industry
巻: Vol. 29 ページ: 25-30
機能材料
巻: Vol. 33 ページ: 57-61
http://www.mech.iwate-u.ac.jp/~yamaguchi/