生体の機能調節機構に関わる新しいガス分子Hydrogensulfide(HS)の微小循環系に対する作用を検討した。L-システイン(HSの基質)は、抵抗血管平滑筋のCystathionineγ-lyase(CSE)活性化を介して、抵抗血管に対して内皮細胞非依存性拡張反応を惹起した。L-システインは、集合リンパ管の自発性収縮頻度を有意に減少させ、このL-システ2インによる負の変時作用は、DL-propargylglycine(PAG;選択的CSE阻害薬)処置によって正の変時作用へと転じた。抵抗血管や集合リンパ管における内因性L-システイン-CSE-HS経路は、微小循環調節機構に重要な働きを果たしていることが判明した。
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