• 研究課題をさがす
  • 研究者をさがす
  • KAKENの使い方
  1. 課題ページに戻る

2011 年度 実績報告書

ダブルDDS製剤処方による新規C型肝炎治療法の確立

研究課題

研究課題/領域番号 22500410
研究機関日本大学

研究代表者

石原 務  日本大学, 工学部, 准教授 (70349554)

キーワードDDS / ナノ粒子 / C型肝炎 / リバビリン / ポリ乳酸
研究概要

C型肝炎治療を目標とし、抗ウイルス剤であるリバビリンを内在化したポリ乳酸ナノ粒子の開発をおこなった。我々は既に肝実質細胞特異的なリガンド分子であるアラビノガラクタンを表面に修飾し、かつリバビリンを鉄イオンを介し粒子内に内在化した新規のナノ粒子の調製に成功している。このナノ粒子からのリバビリンの放出挙動を解析したところ、リバビリンは初期バーストすることなく数週間にわたり少しずつ粒子から漏出し徐放出が達成できていることが明らかになった。蛍光物質であるローダミン123を修飾したポリ乳酸を合成し蛍光ラベルナノ粒子を調製した。肝実質細胞の細胞株であるHuh7細胞及びHepG2細胞との相互作用を解析したところ、粒子が細胞内へ顕著に取り込まれていることがわかった。また、細胞内のリバビリン量をHPLCにより定量したところ、この粒子を用いることで10倍程度取り込み量を増大できることがわかった。WSTアッセイにより毒性試験をおこなったところ、粒子濃度を極めて高くするとわずかな毒性が認められたものの顕著な毒性は観測されなかった。さらに、動物を用いた体内動態評価をするためそのアッセイ法の確立を試みた。大量のナノ粒子をマウスに投与し、採取した肝臓をホモジナイズ、有機溶媒による抽出操作、そしてカートリッジカラムによる粗精製後HPLCにより分析したところ、肝臓から有意な量のリバビリンが検出できた。よって、この検出法により肝臓中のリバビリンを定量可能であることが明らかになった。
以上のように申請書に記載した放出挙動解析および細胞との相互作用解析は完了した。また、体内動態については定量法を確立しその予備試験は終了しており本試験にのぞむ準備が完了した。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

2: おおむね順調に進展している

理由

in vitroでの試験に関しては、順調に研究を進めることができた。in vivoでの試験においては、臓器に含有されるリバビリンの簡便な定量法を独自に確立する必要があり少し手間がかかってしまった。しかし、その方法も確立することに成功し予備試験まで終了しているので、おおむね順調に進行しているといえる。

今後の研究の推進方策

従来の研究計画通り、開発してきたリバビリン封入ナノ粒子の薬物動態および薬力学評価をおこなっていく。その結果から、新規DDS製剤としての有用性を評価する。

  • 研究成果

    (5件)

すべて 2011 その他

すべて 雑誌論文 (3件) (うち査読あり 3件) 備考 (1件) 産業財産権 (1件)

  • [雑誌論文] Nuclear localization and antisense effect of PNA internalized by ASGP-R-mediated endocytosis with protein/DNA conjugates2011

    • 著者名/発表者名
      Ishihara Tsutomu, et al
    • 雑誌名

      J Control Release

      巻: 155 ページ: 34-39

    • DOI

      10.1016/j.jconrel.2010.10.014

    • 査読あり
  • [雑誌論文] Therapeutic effect of stealth-type polymeric nanoparticles with encapsulated betamethasone phosphate on experimental autoimmune uveoretinitis2011

    • 著者名/発表者名
      Sakai Tsutomu, et al
    • 雑誌名

      Invest Ophthalmol Vis Sci

      巻: 52 ページ: 1516-1521

    • DOI

      10.1167/iovs.10-5676

    • 査読あり
  • [雑誌論文] Poly (N-isopropylacrylamide)-PLA and PLA blend nanoparticles for temperature-controllable drug release and intracellular uptake

    • 著者名/発表者名
      Ayano Eri, et al
    • 雑誌名

      Colloids Surf B Biointerfaces

      巻: (in press)

    • DOI

      10.1016/j.colsurfb.2011.10.003

    • 査読あり
  • [備考]

    • URL

      http://www.ce.nihon-u.ac.jp/seimei/labo.html

  • [産業財産権] 薬物を封入した肝臓集積性ナノ粒子2011

    • 発明者名
      石原務、水島徹
    • 権利者名
      石原務、水島徹
    • 産業財産権番号
      特許特願 2011-192838
    • 出願年月日
      2011-09-05

URL: 

公開日: 2013-06-26  

サービス概要 検索マニュアル よくある質問 お知らせ 利用規程 科研費による研究の帰属

Powered by NII kakenhi