研究概要 |
インスリン持続皮下注入システム及びブドウ糖センサのin vivo動物実験での基礎的検討 インスリン持続皮下注入システムの基礎的検証を行うべく,健常及び糖尿病モデルラットに対し,腹部皮下組織にインスリン注入カニューラ及びブドウ糖センサを挿入,固定し,7日間にわたる濃度100U/mlインスリンの持続皮下注入時の皮下組織反応について検証した.インスリン注入カニューラ挿入部位の皮下組織の組織学的検査において,線維芽細胞及び巨細胞は認めなかった.一方,ブドウ糖センサ挿入部位の組織学的変化として留置1日目に白血球の浸潤,7日目に軽度のフィブリン沈着を認めた事実は,時間経過に伴うセンサ膜表面への蛋白質の付着に加え,生体組織反応の結果としての体液潅流低下がセンサ機能劣化の大きな原因と考えられた. アロキサン糖尿病犬の作成 体重9~12kgのビークル犬に対し,pH4.4となるように,0.1mol/l酢酸緩衝溶液にて溶解したアロキサン(Sigma Aldrich, St.Louis, MO, USA)65mg/kg静脈内投与を行い,投与3日後,空腹時血糖値が400mg/dl以上,血漿インスリン濃度測定感度以下(1.5mU/ml以下)であることを確認することにより,アロキサン糖尿病犬を作成した.さらに作成したアロキサンにMedtronic社製の持続血糖モニタリングシステムを装着し,血糖管理を行い,今後予定している実験に向けての準備を行っている.
|