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2011 年度 実績報告書

血液浄化法を用いたアルツハイマー治療デバイスのモデル動物による前臨床評価

研究課題

研究課題/領域番号 22500419
研究機関藤田保健衛生大学

研究代表者

川口 和紀  藤田保健衛生大学, 医療科学部, 講師 (00508468)

研究分担者 北口 暢哉  藤田保健衛生大学, 医療科学部, 教授 (70508077)
中井 滋  藤田保健衛生大学, 医療科学部, 教授 (20345896)
キーワードアルツハイマー病 / 血液浄化 / アミロイドβ蛋白 / Aβ / 吸着
研究概要

1.ラット脳内への定量的なAβ(アミロイドβ-タンパク)注入法の確立
昨年度までの検討で、脳内に投与したヒトAβペプチドが、ヒトAβ特異的ELISAにて、ラットAβに影響されず検出可能であることが明らかとなった。今年度はラット脳内に定量的にAβを注入するための器具を以下の様に作製した。
脳内へのAβ溶液投与量は10μlとごく微量となるため、穿刺針に24Gの注射針をカットダウンした針を用いて加工し、ラット後頭部への穿刺時に脳を傷付けないように、穿刺針先端より5mm上方に内径50μmのポリエチレン製チューブを接着・固定した。これを液体クロマトグラフィー用マイクロシリンジ・注入針と接続して専用穿刺針とした。
この穿刺針を装着した空のマイクロシリンジを用いて、麻酔下にて(大槽内)へ穿刺した後吸引し髄液の流入を認めた後、Aβ溶液を充填したマイクロシリンジに付け替えることにより、正確な容量のAβ注入法が確立できた。
2.ラット脳から血液中への、Aβの移行の確認
4,40,400,500ng/lの各濃度のヒトAβ_<1-42>・PBS溶液10μlをラット脳(大槽内)に注入後、15,30,60分後に尾静脈より採血を行い、ヒトAβ特異的ELISAにより血中Aβ_<1-42>濃度を測定した。結果は4ng/mlのAβ溶液では血中への移行が確認されず40ng/ml・PBS溶液で検出されたものの、最大で3.8pg/ml(注入後30分値)と低かった。それに対して400ng/ml・PBS溶液で(82.7pg/ml・Plasma)、500ng/ml・PBS溶液で(185.5pg/ml・Plasma)と濃度依存性に脳内投与したAβの血中への移行が確認された。この実験結果より血中に移行してきたAβに対して体外循環を施行し短時間に急速除去して、脳から血中への、Aβ・濃度平衡を促進させる実験に適する濃度として400ng/ml程度が必要であることが考察された。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

2: おおむね順調に進展している

理由

・ラットAβが存在する中で、ヒトAβを特異的に検出する手法を確立した。
・ラット脳内への定量的なAβ投与手技が確立した。

今後の研究の推進方策

1.認知機能評価方法の確立(名城大学からの技術移行)
2.ラット脳内に投与したAβにより認知機能障害の発生の確認
3.ラット脳内へのAβ注入後に、体外循環を施行し認知機能の改善についての評価

  • 研究成果

    (3件)

すべて 2011

すべて 学会発表 (3件)

  • [学会発表] 血中アミロイドβ蛋白(Aβ)除去によるアルツハイマー病治療システムの構築に向けて~Aβ吸着材の吸着特性2011

    • 著者名/発表者名
      川口和紀
    • 学会等名
      第30回日本認知症学会
    • 発表場所
      東京
    • 年月日
      2011-11-12
  • [学会発表] Toward therapeutic system for Alzheimer's Disease by removal of blood Aβ : Hemodialysis improved the impaired cognitive states of renal failure patients2011

    • 著者名/発表者名
      北口暢哉、川口和紀
    • 学会等名
      The Alzheimer's Association International Conference
    • 発表場所
      Paris
    • 年月日
      2011-07-21
  • [学会発表] 血中アミロイドβ蛋白(Aβ)除去によるアルツハイマー病治療システムの構築に向けて~Aβ吸着材の吸着特性2011

    • 著者名/発表者名
      川口和紀
    • 学会等名
      第27回日本医工学治療学会
    • 発表場所
      岡山
    • 年月日
      2011-04-23

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公開日: 2013-06-26  

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