研究目的:放射光による放射線治療研究での照射野照合において、着目部位の辺縁部分が輪郭強調された画像が得られる屈折コントラストイメージングを使い、非常に鮮明な照射野確認画像を撮影し高精度な治療を可能とする。 平成22年度の成果:平行性が高い放射光での照射野確認画像撮影において、着目部位の辺縁部分が輪郭強調された画像が得られる屈折コントラストイメージングの撮影には、画像検出器を着目部位から数m以上離した位置で撮影する。予備実験ではラット頭蓋骨標本を使用し、白色放射光でラット頭蓋骨と画像検出器との距離を6.5m離して透過像を撮影した結果と、頭蓋骨と画像検出器とを密着状態で撮影した結果とで比較を行った。予備実験で得られた画像に対して画質向上を目指して、主に施設側の予算で画像検出器や、実験動物・標本と画像検出器との距離を変える移動機構を整備した。そして、(1)白色放射光用銅板フィルタの厚さ(2~5mm)によるX線の線質、(2)実験動物・標本と画像検出器との距離(2.5~6.5mm)、(3)実験動物・標本の種類(マウス、ラット)などの条件を変えて、これらの条件と屈折コントラストでの輪郭協調の程度と関係を明確化するための実験を行った。ただし、平成23年度で製作する照射中画像撮影制御装置による実験自動化前であり、実験は全て手動操作で行ったため実験効率が高くないため、実験範囲は広いがデータの質に問題があり定性的な結果が多かった。このため、平成23年度での制御装置の導入で、実験データの定量化を目指す予定である。
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