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2010 年度 実績報告書

シグナル因子の固定化配置を応用する幹細胞培養系の開発

研究課題

研究課題/領域番号 22500431
研究機関独立行政法人理化学研究所

研究代表者

北嶋 隆  独立行政法人理化学研究所, 伊藤ナノ医工学研究室, 協力研究員 (40399556)

キーワード増殖因子 / 培養基材 / 血管細胞 / 組織構築 / 血管新生因子 / プロテインアレー / 蛋白質固定化 / 細胞分化
研究概要

培養基材などに増殖因子、サイトカインなどのシグナル分子を固定化することで、細胞の分化や組織形成の誘導に効果があるか、またその条件を示すことを目的としている。因子固定化の手法としてまず、(1)光反応性のヒトゼラチンを作製した。この修飾型ゼラチンは、トランスジェニックカイコによって生産された組み換えタンパク質に光反応性基を導入したものである。シグナル因子と混合して、UV照射することにより、基材-ゼラチン-因子間が共有結合される。この手法で多数種の因子類を、アレー状に個別のスポットとして、培養基材に活性を持った状態で固定化させることが可能となった。また、(2)培養用ポリスチレンの他に、アパタイトやチタンなどの医用材料への因子類の固定化も検討した。その場合は、これら材料への結合性をもつペプチド配列を因子類に連結させて融合タンパク質とする手法をとった。因子類の培地への添加では容器内の環境が一様になるのに対し、スポットアレー状に因子類を固定化すると、容器内に異なる環境区画を作り出すことが可能となる。これによって細胞の因子への反応性を比較することができるだけでなく、それら因子によって異なる刺激をうけた細胞同士がどのような相互作用を行うかを観察する手段が提供されると期待される。
これまで主に(1)の手法で種々の増殖因子を固定化し、ヒト血管内皮細胞と平滑筋細胞の共培養に及ぼす効果の検討を行い、VEGFまたはFGFが固定化された区画において、内皮細胞が分岐した毛細血管様構造を形成する可能性が見いだした。この現象は一方の細胞だけではおこらず相互作用の結果と考えられた。また、ヒト骨髄単核球から選別された接着性の細胞に対して、これら血管新生因子が、内皮細胞への分化を誘導する可能性が示された。

  • 研究成果

    (9件)

すべて 2011 2010

すべて 雑誌論文 (1件) (うち査読あり 1件) 学会発表 (7件) 図書 (1件)

  • [雑誌論文] Addition of the collagen binding domain of fibronectin potentiates the biochemical stability of hepatocyte growth factor for cutaneous wound healing.2011

    • 著者名/発表者名
      Okiyama N, et al
    • 雑誌名

      J Dermatol.Sci.

      巻: (in press)

    • 査読あり
  • [学会発表] 可視光硬化型ゼラチン誘導体の調製とその性能評価2010

    • 著者名/発表者名
      伊藤 小布施、北嶋 水越、松江、田代、中村、吉田
    • 学会等名
      第32回日本バイオマテリアル学会
    • 発表場所
      広島
    • 年月日
      2010-11-30
  • [学会発表] 無機・金属材料上への成長因子固定化2010

    • 著者名/発表者名
      伊藤 嘉浩 姜 廷和 櫻木 誠 阿部 洋 北嶋 隆
    • 学会等名
      第32回日本バイオマテリアル学会大会
    • 発表場所
      広島
    • 年月日
      2010-11-29
  • [学会発表] 可視光硬化型ゼラチン誘導体2010

    • 著者名/発表者名
      伊藤 嘉浩 小布施 聖 北嶋 隆 松江 清美 松江 登久 田代 英夫
    • 学会等名
      第59回高分子討論会
    • 発表場所
      札幌
    • 年月日
      2010-09-15
  • [学会発表] 金属・無機表面への成長因子の固定化による生体機能性付与2010

    • 著者名/発表者名
      伊藤嘉浩, 姜廷和, 櫻木誠 阿部洋, 北嶋隆
    • 学会等名
      第59回高分子討論会
    • 発表場所
      札幌
    • 年月日
      2010-09-15
  • [学会発表] 細胞培養用の光硬化性ヒトゼラチンの合成2010

    • 著者名/発表者名
      Kadengodlu APallavi、 北嶋 隆、 小布施 聖、 伊藤 嘉浩
    • 学会等名
      日本化学会第4回関東支部大会
    • 発表場所
      つくば
    • 年月日
      2010-08-30
  • [学会発表] 無機・金属材料への成長因子固定化の試み2010

    • 著者名/発表者名
      姜廷和, 阿部祥子, 北嶋隆, 櫻木誠, 和田章, 阿洋, 伊藤嘉浩
    • 学会等名
      第39回医用高分子シンポジウム
    • 発表場所
      東京
    • 年月日
      2010-07-26
  • [学会発表] 無機材料結合性成長因子EGFの創成2010

    • 著者名/発表者名
      姜廷和, 櫻木誠, 北嶋隆, 伊藤嘉浩
    • 学会等名
      第10回日本再生医療学会
    • 発表場所
      東京
    • 年月日
      2010-03-02
  • [図書] Design of binding growth factors. in "The Hand book of Intelligent Scaffold for Regenerative Medicine". Chapter 172011

    • 著者名/発表者名
      Kitajima T, Ito Y
    • 出版者
      Pan Stanford Publishing Pte.Ltd(in press)

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公開日: 2012-07-19  

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