研究概要 |
H9C2培養細胞を用い、超音波の至適照射条件を検討した。以下の5つの照射条件(20% duty factor: 0.5 W/cm2 x 1 min, 0.3 W/cm2 x 1 min, 10% duty factor: 0.5 W/cm2 x 1 min, 0.3 W/cm2 x 1 min, 0.3 W/cm2 x 15 min)で超音波照射を行い、cell survival(WST-8 assay)とapoptosisおよびnecrosisの程度(apoptotic & necrotic cell detection kit; FITC-annexin V、propidium iodile(PI))を評価した。結果は、10% duty factor-0.3 W/cm2 -1 minの条件下で、cell survaivalが最も高く、細胞死の程度はFITC-annexin V、PIともに最も低値を示した。次に、MOLT4培養細胞を用いて、EdaravoneのDoxorubicinに対する防護効果が超音波照射により増強されるかを検討した。Cell survivalは、Doxorubicin単独群(A群)で62%、DoxorubicinとEdaravoneの併用群(B群)で71%、DoxorubicinとEdaravoneの併用に超音波照射を追加した群(C群)で54%であり、我々の予想とは異なり、超音波併用によりEdaravoneの防護効果の増強は認められないだけでなく、反対にDoxorubicinの効果が増強する結果となった。細胞死の程度は、A群で32%、B群で22%、C群で27%であり、cell survival と同様に超音波照射によるEdaravoneの防護効果の増強は認められなかった。超音波照射の強度や時間についての至適条件に関してさらに検討を重ねる予定である。
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