【目的】腹部領域以外における超音波検査の「作業姿勢の負担分析」を行う。 【発表】次の学会で研究成果を発表し、情報収集を行った。①本超音波医学会 第85回学術集会 2012年5月25日(金)~27日(日):品川②第85回日本産業衛生学会 2012年5月30日(水)~31日(木):名古屋 ③日本人間工学会 第53回大会 2012年6月9日(土)~10日(日):福岡市 さらに2013年6月(津田沼市)には日本人間工学会 第54回大会にて本研究の追加・総括的報告として「超音波検査者の作業負担と筋骨格系障害に関する調査」および「超音波検査者の作業姿勢に関する人間工学的研究(2)-下肢血管と乳腺の超音波検査について-」を発表する予定である。 【結果・考察】 下肢血管と乳腺の超音波検査についても腹部同様の検討を行った。その結果、筋骨格系障害のリスクのある姿勢がいくつか見られた。下肢血管検査時における右肩拳上角度の平均値は、すべて30度以上であり、乳腺検査時の右肩拳上角度の平均値は、すべて40度以上であった。特に、下肢深部静脈検査において、被験者が立位で検者が蹲踞する姿勢で検査する際に、左肩拳上角度が最も大きくみられた。これらの検査を繰り返し、長時間行うことで筋骨格系の障害が発生しうるため、その予防のためには、超音波診断装置の人間工学的調節における改善とともに、周辺で使用する検査台や椅子などの機器の改善、作業環境の改善、作業時間の適切な管理の方策の検討を進めることが重要と考えられた。
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