研究課題/領域番号 |
22500445
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研究機関 | 兵庫医科大学 |
研究代表者 |
田中 弘教 兵庫医科大学, 医学部, 講師 (00423286)
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研究分担者 |
飯島 尋子 兵庫医科大学, 医学部, 教授 (80289066)
西上 隆之 兵庫医科大学, 医学部, 教授 (70131589)
有井 滋樹 兵庫医科大学, 医学部, 教授 (50151171)
飯室 勇二 兵庫医科大学, 医学部, 准教授 (30252018)
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キーワード | 造影超音波 / 分子標的治療 / 早期効果判定 / 時間輝度曲線 / ネクサバール |
研究概要 |
進行肝癌に対して現時点では唯一、予後延長効果が証明されているソラフェニブをはじめとした分子標的治療薬は、身体的・経済的負担の観点よりも、早期の治療効果予測が望まれる。しかし腫瘍マーカーには乖離例が存在すること、腫瘍縮小効果の判定には有効例であっても数カ月を要すことなどより確立した方法はない。分子標的薬は血管新生に作用し、有効例は早期より腫瘍血管に微細な変化が現れることが予想される。そのため、低侵襲に繰り返し経過観察可能であり、時間および空間分解能にも優れた造影超音波による早期治療効果判定を、臨床例および動物実験により検討した。 動物実験では、肝細胞癌の細胞株をマルス皮下に作成することに成功した。またこれらのマウスに対して実際に腫瘍の造影超音波を行い、これらの肝細胞癌においても、治療効果判定を行うための時間輝度曲線が作成できること確認した。またネクサバール投与群とコントロール群の肝臓についても、治療薬投与後の造影超音波による時間輝度曲線を作成し、実際の肝臓でも目的の検討が可能であることを明らかとした。 臨床研究では、ネクサバール投与前および投与2週間御の時間輝度曲線を解析し、症例数はまだ、現在9例と少ないが、有効例では造影剤の流入時間が延長すること、最高輝度値が投与後低下しない症例では有効例がない傾向であり、今後の実臨床において有用なマーカーとなる可能性があるものと考えられた。
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