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2010 年度 実績報告書

簡便な高齢者用運転能力評価法の開発

研究課題

研究課題/領域番号 22500450
研究機関筑波大学

研究代表者

飯島 節  筑波大学, 人間系, 教授 (80193126)

キーワード高齢者 / 自動車運転 / 有効視野
研究概要

平成22度は、研究代表者らが開発した抑制課題付有効視野測定法(Visual Field with Inhibitory Tasks:VFIT)を、75歳以上の後期高齢者においても容易に実施できるように改良し、VFIT-Elder Version(VFIT-EV)として、その有用性を検討した。
VFITは、17インチディスプレイのノートパソコンと12ボタンUSBゲームパッドを用いて実施し、検査プログラムは、単純反応検査、中央反応検査、周辺視野検査および二重課題検査からなり、二重課題検査によって有効視野が測定できるようになっている。この二重課題検査の中央にある刺激を4個の弁別から2個の弁別に簡略化して課題難易度を下げた。また老眼の影響を軽減するため、ディスプレイと頭部との距離を400mmから500mmに変更した。その変更に合わせて中心刺激と周辺刺激との距離を従来版と同様の視野角(4°、7°、10°、14°)に呈示されるよう修正した。ただし、最も難易度の高いStage4(14°)は上下方向がディスプレイから呈示位置がはみ出してしまうため、左右方向のみ14°で呈示し、上下方向は10°で呈示することとした。呈示刺激サイズは見かけ上VFITと同じサイズになるよう約20%大きくした。このVFIT-EVと従来版のVFITを、自動車運転免許を持ち日常的に運転している60歳から90歳までの4名を対象として実施した。対象者は脳血管障害などの神経疾患や眼科的疾患など視覚情報の処理に障害がでるような既往歴がないことを確認した。
その結果、全ての対象者で、正解率はいずれのステージでもVFITに比べVFIT-EVの方が高成績となった。VFITでは二重課題検査でステージが進み課題難易度が上がっても(ステージが進む毎に周辺視野課題が中心視野から離れる)、成績がかえって向上することがあり、課題難易度と成績が必ずしも相関しない場合があったが、VFIT-EVは全ての対象者において課題難易度が上がるほど、緩やかに成績が低下するという結果が得られた。今回の対象者はすべて日常的に運転しており、相応に運転頻度が高くかつ交通事故の経験もなかった。成績の平均値はステージ1(視野角4°)では90%を超えており、有効視野が狭くなった高齢者を測定するのに適した課題難易度であると考えられた。

  • 研究成果

    (5件)

すべて 2011 2010

すべて 雑誌論文 (3件) (うち査読あり 2件) 学会発表 (1件) 図書 (1件)

  • [雑誌論文] Incidence of falls and fear of falling in Japanese patients with rheumatoid arthritis2011

    • 著者名/発表者名
      Yamagiwa K, Iijima S, Furuya T, Ikai T, Inoue E, Taniguchi A, et al
    • 雑誌名

      Mod Rheumatol

      巻: 21 ページ: 51-56

    • 査読あり
  • [雑誌論文] 軽度認知障害(MCI)2011

    • 著者名/発表者名
      飯島節
    • 雑誌名

      Clinical Neuroscience

      巻: 29 ページ: 258-260

  • [雑誌論文] デイサービス利用高齢者の運動能力に関する自己認識と転倒の関連について2010

    • 著者名/発表者名
      平野康之, 藤田佳男, 鈴木浩子, 飯島節
    • 雑誌名

      理学療法科学

      巻: 25 ページ: 705-710

    • 査読あり
  • [学会発表] 認知症高齢者の自動車運転2010

    • 著者名/発表者名
      飯島節
    • 学会等名
      第24回老年期認知症研究会
    • 発表場所
      砂防会館(千代田区)(招待講演)
    • 年月日
      2010-07-31
  • [図書] 「障害の評価(ADL)」高齢者の生活機能の総合的評価(鳥羽研二(編著))2010

    • 著者名/発表者名
      飯島節
    • 総ページ数
      27-31
    • 出版者
      新興医学出版,東京

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公開日: 2013-06-26  

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