研究課題/領域番号 |
22500452
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研究機関 | 金沢大学 |
研究代表者 |
淺井 仁 金沢大学, 保健学系, 教授 (50167871)
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研究分担者 |
藤原 勝夫 金沢大学, 医学系, 教授 (60190089)
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キーワード | 膝蓋骨 / 感覚情報 / 圧迫 / 知覚強度 |
研究概要 |
今年度の目的は、後傾時の立位位置知覚能を高めるために膝蓋骨上縁部からの体性感覚情報の変化を知覚し易くする方法を検討することである。そのための方法として、膝蓋骨上縁部に圧迫を加えて、膝蓋骨の移動にともなって発生する皮膚の変形の知覚を容易にさせることとした。 対象は、健常な大学生9名で、いずれも後傾時に膝蓋骨の上方移動が確認された者である。手順:安静立位位置の測定の後、安静立位位置よりやや前方からゆっくりと後傾させた。この後傾中に膝蓋骨の移動を知覚したら利き手に持ったスイッチを素早く押すように指示した。この試行を各条件において15試行ずつ行った。以下の3つの条件を設定した:コントロール条件(非圧迫条件)、150gの力で圧迫する条件(150g条件)、および300gの力で圧迫する条件(300g条件)。圧迫条件では、厚さ10mm、高さ15mm、幅30mmのゴム製の直方体を用いた。この直方体に荷重センサーを取り付け、圧迫時の強度が所定の値になるように、伸縮性テープの貼り方の強さを調節した。コントロール条件を最初に実施し、圧迫条件の順番は被験者毎にランダムとした。圧迫条件の終了毎に、コントロール条件での知覚強度を5としたときの知覚強度を申告させた。 結果:知覚強度は、コントロール条件での5に対して、150g条件では5.8±1.5、300g条件では6.7±2.8と、強度が増すと知覚強度も増す傾向にあったが、いずれも有意ではなかった。9名中、圧迫条件の知覚強度がコントロール条件よりも低いと申告した被験者が2名いた。この2名のコメントは、「圧迫は邪魔ではないが不自然であった。」、「膝蓋骨の動きを邪魔されている感じがした。」というものであった。多くの被験者では、圧迫によって知覚強度が増し、圧迫の効果が認められた。しかし、強度が減る被験者もいたことから、適応や形状について吟味したい。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
23年度に確認すべきことはおおむね終了した。しかし、23年度の研究を進める過程で、圧迫の適応や圧迫する物の形状等、新たな課題も見えてきたので、今年度に予定している研究と合わせて進めたいと考える。
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今後の研究の推進方策 |
上述したように、23年度の研究を進める過程で、圧迫の適応や圧迫する物の形状等、新たな課題も見えてきたので、この課題の解決を今年度に予定している研究と合わせて進めたいと考える。
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