研究課題/領域番号 |
22500452
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研究機関 | 金沢大学 |
研究代表者 |
淺井 仁 金沢大学, 保健学系, 教授 (50167871)
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研究分担者 |
藤原 勝夫 金沢大学, 医学系, 教授 (60190089)
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研究期間 (年度) |
2010-04-01 – 2015-03-31
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キーワード | 圧情報 / 立位 / 位置知覚 / 踵部 |
研究概要 |
【目的】本研究の目的は、後傾立位位置の位置知覚能における踵部からの圧情報の機能的な役割について検討することである。 【対象と方法】対象は健常な若年成人9名であり、金沢大学医学倫理審査委員会の承認を受けた研究の目的、方法等についての説明を受けた後に、同意書を提出して参加した。測定項目は、最後傾位置、転倒開始位置、および立位位置知覚能の3つであり、それぞれ踵部冷却の有無による条件下(冷却条件、非冷却条件)で実施された。立位位置知覚能は、参照位置と再現位置との絶対誤差によって評価された。前後方向の立位位置は、足圧中心位置の足長に対する踵点からの相対距離で表した。参照位置は、45%FLから20%FLまでの5%FL毎に6箇所定めた。踵部の冷却は、我々の先行研究に準じて行った。 【結果】最後傾位置は、冷却条件(17.5%FL)で非冷却条件(19.6%FL)よりも有意に後方にあった(t=2.89, p<0.05)。転倒開始位置 (約12%FL)は、冷却による有意差はなかった。各参照位置の絶対誤差の冷却による影響は25%FLでのみ認められた(t=2.89、p<0.05)。また、非冷却時の25%FLでの絶対誤差は、20%FLと30%FLでの誤差より求めた予測値に対して有意に小さかった(t=3.78、 p<0.01)。 【考察】最後傾位置の踵部冷却による有意な後方変位は、先行研究(Asai, Fujiwara et al. 1990)を支持するものであり、この位置の知覚のための知覚参照枠に踵圧情報が貢献している可能性が示唆された。位置知覚能が踵部冷却の有意な影響を受けたのは25%FLのみであった。25%FLは、後傾時の踵圧分布が大きく変化する位置(Fujiwara, Asai et al. 2005)に近いので、ここでの踵圧分布の大きな変化が位置知覚の参照枠に、特異的に貢献するものと考えられた。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
本研究は平成22年度から26年度までの5年計画で遂行されている。平成24年度は、平成25年度と2年計画で踵部からの圧情報の立位位置知覚における機能的な役割を明らかにしている。平成24年度は、踵部からの圧情報が最後傾立位位置知覚のための参照枠の構成に重要であること、および25%FL付近の立位位置で観察された踵圧分布の大きな変化が位置情報として重要であることを明らかにした。それゆえ、今年度はおおむね予定通りに研究が遂行できたと考えられる。また、平成25年度は、今年度の結果をもとに、踵部を刺激して圧情報を増加させる手段を講じて、後傾立位位置をより知覚し易くする方法を検討する予定である。
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今後の研究の推進方策 |
平成25年度は、今年度の結果をもとに、踵部を刺激して圧情報を増加させる手段を講じて、後傾立位位置をより知覚し易くする方法を検討する予定である。平成25年度の研究が予定通り遂行されれば、後傾立位位置の知覚における踵部からの圧情報の役割が明らかになる。これにより、平成22年度、23年度に行った膝蓋骨の動きにともなう感覚情報の大きな変化の機能的役割についての検討と合わせると、後傾立位位置における膝蓋骨の動き、および踵部圧変化による感覚情報の大きな変化の機能的な役割が明らかになる。これらの知見をもとに最終年度である平成26年度は、高齢者を対象に後傾立位位置の知覚能を高める方策を検討することとする。
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