研究課題/領域番号 |
22500453
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研究機関 | 金沢大学 |
研究代表者 |
横川 正美 金沢大学, 保健学系, 准教授 (80303288)
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キーワード | ストレス / リハビリテーション / 理学療法 / リラクセーション |
研究概要 |
本研究の目的は、対象者が積極的にリラクセーションを得るための理学療法的手法の提案と、その効果に関する検証である。私たちが理学療法を実施する対象者の多くは、様々な原因により、骨格筋の過緊張状態に陥っている。このような場合に理学療法士が種々の手技を実施すると、骨格筋の過緊張状態が緩和することを経験している。そこで、本研究では理学療法の手技のうち、呼吸に関連した方法をリラクセーション手法として実施し、その効果を検証する。近年、ストレスが健康に悪影響を及ぼし、心身症やうつ病をも引き起こすという認識が専門家のみならず、一般の国民のあいだにも広まっている。理学療法士の職域は、従来の三次予防の分野から二次予防、あるいは一次予防分野に範囲を拡大しつつある。本研究は理学療法的手法を一次予防の分野に応用するための基礎的な資料づくりを目指して計画した。 本年度は臥位および座位にて、深呼吸、介助呼吸、安静状態を保つという3条件を測定した。測定中を通して、呼気ガス採取による換気指標の評価、心電図波形のRR間隔の周波数解析による自律神経活動の評価、実施前後に測定する骨格筋の硬さと唾液アミラーゼ活性の評価を合わせ、リラクセーションの状態を比較検討した。 その結果、呼吸介助実施中の交感神経活動は、安静時と比べて統計学的有意差がないことが明らかとなった。これは、対象者が自分自身で深呼吸を行った際に交感神経活動が有意に高値を示した反応と対照的であった。換気指標として測定した酸素摂取量は、呼吸介助手技において深呼吸と同様に有意に低下していた。両者の違いは、今後、対象者の状態に応じた手技の提供に利用できる可能性があり、意義あるものである。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
安静条件でリラクセーション手法を実施した時の分析および解釈の作業が遅れており、運動後条件での測定分析にまで進めなかったため。
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今後の研究の推進方策 |
安静条件で実施した時の解釈の作業を進め、運動後条件での測定分析へと進める。ストレス評価として、唾液アミラーゼモニターでの測定を実施しているが、測定機器の安定性に問題があり、測定エラーが出る、あるいは極端な高値を示すことがある。このため、唾液アミラーゼモニターによるデータは、測定できた対象者分のみを参考値として、取り扱うこととする。
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