研究課題
これまでの研究でコラーゲン器質内に細胞を包埋することによって三次元的環境を維持して軟骨細胞を力学的に刺激すると器質産生能が亢進する事が明らかになった.一方、3次元培養下に軟骨細胞を力学的刺激するとまた、これと同時にIL-4の発現亢進が起こる事を明らかにした。3次元培養力学的刺激システムに装着するも力学的刺激を加えず、IL-4を負荷した実験群と力学的刺激のみを負荷した実験群でのアグリカン、II型コラーゲンなどの細胞外器質の遺伝子発現で検討したところ、IL-4群は力学的刺激群と同様に細胞外器質産生が亢進した。次に3次元培養力学的刺激システムを用いて、力学的刺激による細胞外器質の産生亢進にIL-4拮抗薬の及ぼす影響を経時的に調べた.IL-4を分泌する事により周囲の細胞とその力学的刺激環境についての情報を共有しているとの仮説が正しならば、力学的刺激の効果がIL-4拮抗薬でキャンセルされるはずである。力学的刺激後にIL-4拮抗薬を投与したところ、アグリカンとII型コラーゲンの遺伝子発現は共に抑制されることが判明した。このような抑制は、二次元培養下の軟骨細胞では見られない。二次元培養下では軟骨細胞が脱分化しIL-4による力学的環境に関する情報を共有する機能が喪失されていると考えられた。軟骨細胞の力学的刺激に関する反応を介在するセカンドメッセンジャーを明らかにする為にMAPキナーゼ阻害薬を投与した。一連の反応はp38キナーゼ阻害薬により最も強く抑制されることから軟骨細胞の力学的刺激に対する反応にはp38キナーゼが関与していると考えられた。
24年度が最終年度であるため、記入しない。
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