研究課題/領域番号 |
22500462
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研究機関 | 長崎大学 |
研究代表者 |
東嶋 美佐子 長崎大学, 大学院・医歯薬学総合研究科, 教授 (40279005)
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研究分担者 |
阿部 貴志 長崎大学, 工学研究科, 准教授 (30222649)
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キーワード | 摂食・嚥下障害 / 摂食リスク見守り装置 / ベースデータ |
研究概要 |
22年度は従来使用していた大型の非侵襲的センシング装置を改良して、在宅や学外での臨床データの収集を可能にすることを目的に、「非侵襲センシング装置の改良」を行うことであった。改良のポイントは、(1)増幅部品などの附属品を含んだ装置の一体化と小型化、(2)トリガの手動からタッチ式への変換などであった。 23年度は小型一体化した非侵襲センシング装置を使い、臨床現場で検証試験を行った。結果、ハード面は良好でデータの収集場所を制限することなく、食事時間中継続してデータの収集が可能になった。しかし、ソフト面は多くの問題が残った。その問題の一つはセンサの精度と感度が低く、これからの改良の必要性がある。二つ目はタッチ式のトリガスプーンを試作して検証試験を行ったが、食器や身体の一部に当たるとトリガとして記録されることから、口腔に食物が入った時点がトリガとなるような改良が必要である。さらに装置の検証試験を行う中で、摂食リスクの出現を見守るためにはセンシング装置による波形データだけでは不十分であり、どのような食物形態や食事姿勢の中で発生した摂食リスクであるかを同時に記録するシステムが必要であることが、23年度の検証試験で示唆された。 24年度は小型一体化した非侵襲センシング装置のセンサ面の問題を解決するのは費用の関係で困難であることから、現状維持の状態でデータの収集に努める。さらに口腔に食物が入る前までの環境や条件が摂食リスクに及ぼす影響因子についてのデータを収集する予定である。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
センサの感度と精度に問題があり、ベースデータとしての波形データの収集が不十分な状態である。
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今後の研究の推進方策 |
研究の最終年度において、センサの感度と精度を高めるための改良費の捻出は困難なため、現状のセンサによりベースデータとしての波形データを収集して、リスク波形であるか否かの判別ができることを目的に、臨床データの収集をしたい。さらに口腔に食物が入る前までの摂食条件が摂食リスクに及ぼす影響についても同時に検討したい。
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