研究分担者 |
中村 典史 鹿児島大学, 大学院・医歯学総合研究科, 教授 (60217875)
緒方 祐子 鹿児島大学, 医学部・歯学部附属病院, 助教 (50549912)
五味 暁憲 群馬大学, 医学部附属病院, 助教 (10325798)
新中須 真奈 鹿児島大学, 医学部・歯学部附属病院, 医員 (60457653)
上田 裕市 熊本大学, 自然科学研究科, 教授 (00141961)
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研究概要 |
口蓋裂に伴う異常構音を識別する目的で、本年度は口蓋裂を伴わない構音異常者を対象(被験者)として圧センサー並びに音声視覚化システムを用いて音声発声時の運動パターンを解析する方法の確立を行った. 被験者専用の口蓋床を作成しその口蓋面にフィルム型圧センサーを貼付し舌の運動圧を舌の接触圧として測定した.さらに,被験者にセンサーで測定される圧検出画面を見てもらいながら構音指導を行い,本人が舌運動のポイントをつかめるかを確認し,今後の訓練に応用できるか否かを推測した. センサーは厚さ0.1mmと極薄のフィルム状であるため,違和感はあるものの被験者の舌運動を阻害したり異物感による構音運動の障害になったりすることはなく,また,センサー面には2000箇所以上のセンシングポイントがあるため,舌背表面を細かく分断して運動圧を測定し,構音という動的な圧分布の変化を細かく計測可能であった.測定した運動時圧は専用の解析ソフトウェアを用いて圧力ごとに色彩表示され,圧分布を視覚的に認知することが容易であるため,異常構音者の舌接触パターンが正常構音者と異なっていることを被験者に自覚させ,かつ舌運動パターンの違いを健常者と同様の運動パターンに導くように指導することで徐々に構音異常が改善されていった. 以上より,本装置が訓練に有効に用いることができることが示唆された.平成24年度は対象を増やし,両測定法による関連性について検討し、臨床応用へさらに結びつけるように進めていく。
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