研究課題
本研究の目的は、脳卒中患者に対して、1)注意に関する脳活動をモニタリング、かつフィードバックしながら、注意向上に有効な刺激を選択、調整、決定する、2)そして、脳損傷による注意障害あるいは片麻痺患者の運動や行動に対する意図や注意を高め、その状態で運動や行動を反復することでパフォーマンスの改善を図る、3)最終的に以上を備えた感覚誘導性注意運動改善システムを開発することである。これに対して本年度の計画に対して、以下のような研究の遂行による実績をあげた。1)注意障害を回復させる多種感覚刺激による認知・運動訓練の開発注意障害を効果的に回復させるための振動刺激や磁気刺激、視覚刺激呈示、温熱刺激等を工夫して、多種感覚誘導性注意改善訓練の新しい訓練パターンを創生することを目標とした。準備段階として方向性注意障害である半側無視に対して有効な振動刺激を模索していたが、臨床成績をまとめて国際誌へ論文投稿し、採択通知を得た(Kamada et al.2011)。その他、本年度は脳卒中片麻痺に対して多種感覚の誘導により運動麻痺の回復を促す促通反復療法の有効性に関する検討を行い、論文発表を行った他(下堂薗、2010)、国際誌への論文投稿に向けて準備をすすめた。また片麻痺患者における蛋白同化ホルモン併用下の筋力増強訓練の有効性に関する論文発表を行った(Shimodozono et al.2010)。2)フィードバックによる注意向上の実証とハードウエア開発多種感覚刺激[振動刺激や視覚(動き、色彩、座標系を変化させる)、温熱]を課題の時相や刺激の部位や強度、頻度、時間を最適に調整して注意障害の改善を促進し、かつその過程を評価できる装置の開発を目標とし、本年は注意検査や促通手技を用いた場合の脳血流の変化について基礎的かつ準備的な検討を行った。
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Japanese Journal of Rehabilitation Medicine
巻: 48 ページ: 188-191
International Journal of Neuroscience
巻: 120 ページ: 617-624
http://www.kufm.kagoshima-u.ac.jp/~rehabil/index-j.html