本研究では、 走査電子顕微鏡および免疫染色法を用いて廃用性萎縮筋の筋原線維・筋膜および筋間質の変化を解析した。実験には、廃用性萎縮を生じた若年マウス(5週齢)のヒラメ筋を用いた。その結果、走査電子顕微鏡像では、筋線維の辺縁部に波状構造を呈する部位が観察された。免疫組織染色で波状構造物を解析した結果、基底膜であることがわかった。波状構造付近の筋原線維の構造は乱れていたが筋原線維の融解像は観察されず、また基底膜分解酵素であるマトリックスメタロプロテアーゼの発現変化も認められなかった。廃用性萎縮筋では基底膜が細胞質内に侵入するような形態変化が生じることが示唆された。
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