研究課題/領域番号 |
22500481
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研究機関 | 宝塚医療大学 |
研究代表者 |
曽我 浩之 宝塚医療大学, 保健医療学部, 教授 (20282121)
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研究分担者 |
河上 敬介 名古屋大学, 医学部, 准教授 (60195047)
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キーワード | 骨格筋 / 機械刺激 / 筋萎縮 / ラット / リハビリテーション |
研究概要 |
坐骨神経を切断した筋萎縮モデルラットを用い、筋に周期的な機械刺激を加えると、萎縮が軽減されることを明らかにしてきた。しかし、どのくらいの機械刺激量を加えると筋萎縮を軽減できるのか、また、どのような刺激方法が最適なのかは未だ明らかでない。そこで本研究では、ラットの骨格筋に定量的な機械刺激を加えることができる装置を作製し、どのような機械刺激が筋萎縮を軽減するのに最適なのかを明らかにすることである。これまでの研究で、機械刺激が筋萎縮を軽減すること定量的に明らかにするためのラットの足関節背屈装置を作製し、その作動確認を行った。また、他の研究で足関節背屈装置により定量的な周期的伸張刺激(背屈トルク8mN・mで背屈位保持5秒間-中間位5秒間を繰り返す)を1日1回15分間、14日間与えると、筋萎縮軽減効果があることを確認している。そこで本年度は、除神経ラットに対して、これまで効果が認められている背屈位保持5秒間-中間位5秒間という刺激の周波数を1秒-1秒、25秒-25秒、450秒-450秒に変えて、最も萎縮軽減効果のある刺激の周波数を検討した。その結果、25秒-25秒、450秒-450秒の周波数では、萎縮軽減効果が認められないことが判明した。一方、周波数を1秒-1秒にすると、萎縮軽減効果は認められるものの、5秒-5秒に比べて効果は減少した。一般的に、外的環境の変化に対する細胞の応答は、その変化量が多いほど大きいといわれる。25秒-25秒や450秒-450秒よりも5秒-5秒の方が効果が認められたことは、一般的な細胞の応答現象と同様の応答が骨格筋にもおこることを説明するものである。ただ、5秒-5秒比べ、刺激の変化量が多いと考えられる1秒-1秒で、萎縮軽減効果が低くなっており今後の検討課題である。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
当初に計画していた通りに、昨年度にラットの足関節背屈装置完成し、その作働確認を行い、本年度に、実際にその装置を用いることによる萎縮軽減効果が確認できた。
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今後の研究の推進方策 |
今年度、最終年度に当たり、刺激量や頻度をさらに詳細に検証していく予定である。これらのことが十分に明らかになったら、そのメカニズムの解明に着手する。
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