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2010 年度 実績報告書

汎用性と高機能性を併せ持つユニバーサル両耳補聴システム構築のため基礎的研究

研究課題

研究課題/領域番号 22500508
研究機関熊本大学

研究代表者

宇佐川 毅  熊本大学, 大学院・自然科学研究科, 教授 (30160229)

研究分担者 苣木 禎史  熊本大学, 大学院・自然科学研究科, 准教授 (50284740)
キーワードヒューマンインターフェース / 信号処理 / センシング情報処理 / 両耳補聴 / 音声情報処理
研究概要

本研究は,これまでにない高い汎用性を持ちながら従来の高性能補聴器の機能を飛躍的に拡張した両耳補聴システムの構築を目指している。加齢による聴力低下を補う高性能補聴器は今だに高価で,本質的な需要があるにも関わらずその普及は進んでいない。本研究は,眼鏡程度の手軽さと,これまでにない耐ハウリング性能,特定方向信号の選択的補聴による高い補聴効果を併せ持った「ユニバーサル高性能両耳補聴システム」の構築を目指し,その実現のための基盤技術確立のための基礎的研究を行う。
本年度は,フレーム処理に伴うミュージカルノイズの低減と,補聴処理にともなる群遅延を20ms程度に削減するための手法,さらに前後誤判断による指向性制御の劣化の解決法について検討を進めた。まず,ミュージカルノイズの低減については,周波数領域両耳聴モデルによる分離信号の定量的評価について発表した論文を基礎して,複数の評価尺度を用いノイズ低減の指標を検討した。特に,前後誤判断による指向性制御性能の劣化を解決するためニューラルネットワークを利用した分離手法を提案し,問題解決のための糸口が見つかった。次ぎに,周波数両耳聴モデルにおけるフレーム処理にともなう群遅延を,通常の電話系で遅延が知覚できないとされる20ms程度に抑えることを目標に,フレーム処理パラメータ等を調整し,DSPによる実装では遅延を概ね目標値まで短縮できる可能性があることが明らかとなった。また並行して,これまでに開発したアルゴリズムを広く普及しているポータブルデバイスiPhoneに実装し,デモシステムを構築し,「ユニバーサル高性能両耳補聴システム」のプロトタイプとして評価できる環境を実現した。また手軽な装用を可能にするため,従来のインナーイヤータイプのイヤホンのみならず,骨伝導アクチュエータを利用した両耳補聴システムについても検討を開始した。

  • 研究成果

    (7件)

すべて 2011 2010

すべて 学会発表 (6件) 図書 (1件)

  • [学会発表] 領域分割前処理による前後判断手法を用いた両耳補聴システムの小型情報端末への実装の検討2011

    • 著者名/発表者名
      宇佐川毅
    • 学会等名
      日本音響学会2011年春季研究発表会
    • 発表場所
      早稲田大学東京都新宿区
    • 年月日
      2011-03-09
  • [学会発表] An estimation method of sound source direction in sagittal coordinate utilizing binaural inpu2010

    • 著者名/発表者名
      宇佐川毅
    • 学会等名
      Proc.Asia Pacific Signal and Information Processing Association Annual Summit and Conference
    • 発表場所
      バイオポリスシンガポール
    • 年月日
      2010-12-14
  • [学会発表] Estimation of Sound Source Direction using Binaural Signal with Onset Detection2010

    • 著者名/発表者名
      宇佐川毅
    • 学会等名
      Proc.Asia Pacific Signal and Information Processing Association Annual Summit and Conference
    • 発表場所
      バイオポリスシンガポール
    • 年月日
      2010-12-14
  • [学会発表] 矢状面座標系における領域分割前処理による音源方向の全方位推定手法2010

    • 著者名/発表者名
      宇佐川毅
    • 学会等名
      日本音響学会2010年秋季研究発表会
    • 発表場所
      関西大学大阪府吹田市
    • 年月日
      2010-09-14
  • [学会発表] 周波数領域両耳聴モデルの小型情報端末への実装とその特性2010

    • 著者名/発表者名
      苣木禎史
    • 学会等名
      日本音響学会2010年秋季研究発表会
    • 発表場所
      関西大学大阪府吹田市
    • 年月日
      2010-09-14
  • [学会発表] Simple and stable howling canceller of binaural hearing assistant system based on inter-aural level difference2010

    • 著者名/発表者名
      宇佐川毅
    • 学会等名
      The 39^<th> International Congress and Exposition On Noise Control Engineering
    • 発表場所
      リスボン国際会議場ポルトガル
    • 年月日
      2010-06-13
  • [図書] 空間音響学2010

    • 著者名/発表者名
      宇佐川毅
    • 総ページ数
      176
    • 出版者
      コロナ社

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公開日: 2012-07-19  

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