研究課題
本年度は、まず画像処理手法により把持対象物の位置座標を取得する検討を行った。具体的には、手首部にWebカメラを取り付けたモバイルアームをテーブル上に固定し、そのベースを基準に座標系を設定した。Webカメラの解像度を352x288ピクセル、静止画を取得する際のテーブルとWebカメラの高さを50 cmとし、15 cm × 10 cm の領域内に500 ml のペットボトルを置いた際の位置座標を検出する評価実験を行った。その結果、数ミリ以内の誤差で位置座標の検出を行えることが明らかになった。またそのペットボトルも適切に把持できることが示された。次に、被験者の脳波からモバイルアームの操作に関わる特徴抽出の検討を行った。まず1:4の割合で点滅する光刺激を健常被験者に呈示して、低頻度の光が点灯したときにボタンを押してもらうオドボール課題を実施し、その際の被験者の事象関連電位を計測した。電極には皿電極を使用し、電極の配置には国際10-20法を用いた。その後、計測した事象関連電位を加算平均処理して、ウェーブレット変換を行った。また、事象関連電位P300成分の潜時の範囲を250 msから500 ms に設定した際の、各試行における脳波の潜時と振幅に関する線形判別を行った。ウェーブレット変換した際の低周波帯域における解析結果では、電極F3、F7、T3のθ波が200 ms付近で大きく現れた。一方、高周波帯域における解析結果では、電極C3、C4、Fz、Cz、Pzのβ波が200 ms付近で出現した。この結果から、200 ms付近におけるβ波帯域も被験者の意思判別に利用できると考えられる。また線形判別の結果より、電極C4、Pzの部位において判別率(71 %)が最大となった。今後も引き続き、判別率が90 %以上となる有効な特徴抽出の検討を行う。
24年度が最終年度であるため、記入しない。
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Computer Technology and Application
巻: Vol. 4 ページ: pp. 137-143