研究概要 |
平成22年度において本研究の成果は下記の3項目となっている. 1.立上がり,着座補助装置の設計 項目3で示す健常者の立上がり・着座動作を元にして,立上がり・着座訓練装置の機構部分の構造と寸法決定を行い,必要となるアクチュエータ能力の検証を計算により実施した.構造は制御系の構成しやすさを考慮して2リンクアームとした.基本設計が終えられたことにより,試作を効率的に進める事ができる.また,基本設計した構造のモデルを用いて,計算機上にて効率的に次のステップとなる制御系設計を進めることが可能となった. 2.脚部筋の機能的電気刺激手法の検討 電気刺激のパラメータによる脚部筋の動作について,足関節の底屈動作を例として,負荷を掛けた場合の機械発揮動力について検討した.これにより,電気刺激での関節トルクの発生挙動を予測できることがわかり,次のステップとなる補助機器との協調動作等の制御系の検討が行えることとなった. 3.健常者における立ち上がり・着座動作の解析 健常者の立ち上がり・着座動作について解析を進め,現時点では自然な動作となる自律的な立ち上がり・着座動作に焦点を絞って各脚部筋の活動タイミング,床反力,画像情報から得られる2次元平面上リンクモデルを用いて関節角度,発揮トルク逆解析を行った.これらの基礎結果より,重心位置に応じた脚部筋の使用状況,協調動作時のタイミングを決定し,提案する立ち上がり・着座訓練装置の機械補助と電気刺激を行うシステム設計の検討を進める.
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