本研究課題の目的は、ヒトにおける上肢と下肢による律動的な協調運動時における体幹筋群の機能的ならびに生理学的な役割を明らかにすることである。本研究により、異なる負荷と回転数による上・下肢による同時ペダリング運動時の体幹筋群活動を分析し、脊柱起立筋群(ES)と腹筋群(AB)の活動は、ペダリング負荷と回転数に依存して非直線的に増大することが明らかとなった。また、ESとABの中潜時皮膚反射は座位状態に比して下肢ペダリングのパワー位相で強い促通を受けることが明らかになった。最後に、上・下肢ペダリング時の上肢-下肢相互作用は、1から4週間の反復的なトレーニングによって漸減することが明らかになった。
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