覚醒レベルやモチベーションの維持はスポーツパフォーマンスの向上のみならず、様々な社会的活動においても、よりよい結果を生み出すために重要である。近年、視床下部外側部に散在するオレキシン(ペプチド)産生ニューロンが、摂食といった報酬系や覚醒レベルの調節に関わることが明らかになってきている。しかし、覚醒レベルや報酬系に基づく適切な運動の発現にどのように関与するかは明らかではない。本研究では単一細胞記録染色法や免疫染色を用いて、オレキシンニューロンやドーパミンニューロンなどを同定し、報酬に基づく運動の発現における視床下部並びに大脳基底核ニューロンの役割を明らかにする。 細胞外記録法により麻酔下ラットの大脳基底核および視床下部からニューロン活動を記録した、大脳基底核より記録したニューロンのうち持続的に発火するニューロンの発火パターンを解析したところ3タイプに大別できた。それらのうち一部のニューロンで傍細胞記録ならびに染色に成功した。確認できたニューロンはアセチルコリン含有細胞であった。視床下部での記録でも持続的に発火するニューロンが観察された。傍細胞記録ならびに染色に成功したニューロンを現在解析中である。また。同時に脳波を記録したニューロンについては睡眠覚醒レベルとの関連を精査しているところである。
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