動作の急停止直後に再開する困難さを調べることを本研究の目的とした。まず、Go/Stop/re-Go 課題を用いて動作の急停止と再開のパフォーマンスを調べ、停止から再開までの間隔(SRSI)が短いとき(~100ms)と長いとき(>200ms)に困難さが生じることを示した。その背後にあるメカニズムを調べるため、二つの神経生理学的実験(経頭蓋磁気刺激および脳波記録)を行った。その結果、短い SRSI での停止-再開の困難さには停止に関連した皮質運動興奮性の抑制が関係し、 長い SRSI の遅延した re-Go 試行では re-Go 刺激の視知覚に対応する α 帯域脳波の位相同期が弱まっていることが示された。
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