福島県が平成18年度より県内の小学校で実施している「運動身体づくりプログラム」導入から4年が経過した。このことを踏まえ、本研究は、文部科学省が全国的に実施している「体力・運動能力、運動習慣等調査」結果や、各小学校で実施している学力テストなどとの関係から、運動身体づくりプログラムの継続的な実施が児童の体力・運動能力、さらに生活面や学力に与える影響について明らかにすることを目的としている。 本年度は、3年間の研究期間の1年目であり、まず抽出校への予備調査を行い、収集した体力テストデータ、学力テストデータを分析するという研究計画を立て、研究に着手した。 抽出校として、運動プログラム実践のモデル校と考えられる福島大学附属小学校の1年生4クラス、3年生1クラス、5年生1クラスを選定し、文科省が行っている「体力・運動能力、運動習慣等調査」を実施した。現在、収集された体力テストデータを分析中である。 福島大学附属小学校は、福島県が全県下で実施している「運動身体づくりプログラム」発祥の地でもあり、全ての学年、クラスでプログラムを毎回確実に実施している小学校である。この小学校に入学した児童が運動プログラムを行うことによって、どのように体力・運動能力を向上させていくのか、また運動能力の向上と学力との関連が見られるのかについて検討し、次年度の全県抽出調査の参考とする。また、今回収集したデータに加えて、次年度も継続して体力テストを実施し、年間の向上経過を調査する。その結果をもとに、福島県教育委員会と協力関係を持ちながら、次年度の全県レベルでの抽出校調査につなげていく予定である。 上記のとおり、次年度以降に実施する本格的調査の予備調査として、本年度の調査研究は重要な位置づけとなっている。
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