【今年度の研究目的】「リズムダンス」の学習内容の検討:指導者が学習者へ「与える」ことと「引き出す」こと(どこまで教えて、どのように学習者を学ばせるか)を具体的に示し、その仕組みを明確にする。 【研究実施計画】「リズムダンス」熟練指導者の授業参与観察を行い、学習内容の重点を検証する。 【研究の成果】今年度は、対象となる熟練指導者の授業を数回にわたり参与観察することができた。また、対象となった授業には単元のものも含まれており、充実した授業観察データを得ることができた。熟練指導者のプログラム(学習者に与えたもの)は、学習者に対していくつかの要素を同時に教授するために考案されている。それらの要素とは、(1)運動に挑戦することで捉える身体感覚、(2)学習者から「引き出す」ためのきっかけ、(3)意図的に動くことの意識化、である。次年度の研究で、この要素の言語は変更されるかもしれないが、現在大まかに捉えられたのは、この3つである。また、学習者が違うと、同じプログラムを展開していても、指導のポイントが違う場合も見受けられたことは興味深い。本研究では、「リズムダンス」に着目しているが、ダンス授業としては「リズムダンス」から「創作ダンス」へ移行することが多く、これらの学習を通して身体が変容していくことがわかった。ダンス学習では、指導要領に明記されているところの一つの内容だけではなく、複合的に授業を展開することが望まれる。
|