研究課題/領域番号 |
22500536
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研究機関 | 千葉大学 |
研究代表者 |
佐藤 道雄 千葉大学, 教育学部, 教授 (10192098)
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研究分担者 |
杉山 英人 千葉大学, 教育学部, 教授 (40251186)
七澤 朱音 千葉大学, 教育学部, 准教授 (10513004)
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キーワード | 体育科教育 / ボール運動 / 球技 / 基礎技能 |
研究概要 |
本研究は中学校における球技と小学校におけるボール運動の一貫カリキュラムを目的とし、まず中学校におけるネット型球技とベースボール型球技について、その基礎技能を身につけるための運動の考案を進めた。附属中学校の教員移動により、今年度から授業種目が変更され、当初計画していたソフトテニスを扱うことができなくなったため、同じネット型競技のバレーボールを取り扱うこととした。前期の授業から、ラリーを続けるために必要な動きとして、オーバーハンドパスでは、早くボールの下に入ることと、膝を曲げること、またアンダーハンドパスでは、早くボールの正面に移動すること、腕を振り上げないことが重要であると考え、おでこの前で両手で捕りそこから投げ返すキャッチボールと、アンダーハンドで真上に頭の高さまで打ち上げ手で捕る、という運動を準備運動として毎時間行わせた。投げるボールは初めは受け手の正面に向かって行い、徐々に左右前後にボールを散らして行わせた。このパス技能の評価は、壁に向かった連続パスの回数で行い、単元の最初と最後にテストを行った。その結果、ひとつのクラスではアンダーハンドの平均回数が7.1回から13.7回に、オーバーハンドの平均回数が9.4回から18.8回に、もうひとつのクラスではアンダーハンドが8.9回から18.5回に、オーバーハンドは10.7回から19.6回になり、どちらのクラスもほぼ2倍の数値を示した。また、動きの変化においても、低いボールに対して膝を曲げて受ける動きや、左右にそれたボールに対応してサイドステップで横に動く動作が見られるようになった。今回の授業実践では対照群となる他のクラスのパス技能テストを行っていないので、はっきりとして技能改善の要因は特定できないが、8時間程度の授業であることを考えると基礎技能の向上は著しいといえるであろう。 ベースボール型球技は1年次において後期の後半に実施しているため、実験的な授業実践を行うことはできなかったが、基礎技能の問題以上にベースボール型球技に様式を理解させることが問題となった。これを考慮して、次年度では理解しやすいゲーム形式、基礎技能の抽出と技能向上の方法を授業実践の中で行っていく。
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