研究課題/領域番号 |
22500545
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研究機関 | 香川大学 |
研究代表者 |
野崎 武司 香川大学, 教育学部, 教授 (80201698)
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研究分担者 |
米村 耕平 香川大学, 教育学部, 准教授 (20403769)
飯村 敦子 鎌倉女子大学, 児童学部, 教授 (70326982)
細越 淳二 国士舘大学, 文学部, 准教授 (70365526)
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キーワード | 体育の学習集団論 / 異質協同の学び / 特別支援教育 / 教師の指導性 / 子どもの主体性 / 教科の論理 / 集団づくりの論理 |
研究概要 |
本研究の目的は、特別支援教育の知見を援用しながら、体育の学習集団論を再構築することにある。H.22-23年度は、実践レベルで優れた実績のある授業者のフィールドワークを、香川・東京・鎌倉で実施し、情報交換を進めてきた。またこれまでの研究成果のレビューを行い、本研究の位置づけを明確化するための論文(1件)を公刊した。主な研究成果は以下の通りである。 1、よりよい体育授業の成立のためには、優れた学級集団(学習集団/生活集団)の形成が不可欠である。優れた実践家は、特別な支援を必要とする子どもを抱える場合、1年間という長いスパンで学級集団の形成に挑戦している。年度始めの学級のルールづくり、様々な係活動・班活動の組織化、行事の効果的な活用、様々な教科での取り組みやすい学び合い活動の組織化など、多面的な働きかけを行なっている。その度ごとに、目指したい子どもの姿(実際の子どもの発言や行動)を取り上げて、みんなで共有するような「学びの文化」をクラスの中に育む努力を積み重ねている。 2、すぐれた実践家は、多様なコミュニケーション・ツールを駆使して、子どもの実態を把握し、子どもと関わろうとしている。気になる子どもとの交換日記、保護者との情報交換、学校以外での多様な場面での子どもの実態把握など。また子どもや子どもたちの努力や学びの成果を構造化した多様な教室掲示、さらに成果を喜びあう「合い言葉」等も、目指したい姿を学級に敷衍するためのツールであるといえる。 3、優れた教師は、子どもの抱える課題に関する専門的知識(特別支援に関わるもの)を有している。コミュニケーションの難しさを抱える子の課題とその支援、身体的不器用さを抱える子の課題とその支援など。一見困難な場面でも、教師として、見通しをもって事態に対処できる余裕をもっている。
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