研究課題/領域番号 |
22500545
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研究機関 | 香川大学 |
研究代表者 |
野崎 武司 香川大学, 教育学部, 教授 (80201698)
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研究分担者 |
米村 耕平 香川大学, 教育学部, 准教授 (20403769)
飯村 敦子 鎌倉女子大学, 児童学部, 教授 (70326982)
細越 淳二 国士舘大学, 文学部, 准教授 (70365526)
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研究期間 (年度) |
2010-04-01 – 2014-03-31
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キーワード | 体育の学習集団論 / 異質共同の学び / 特別支援教育 / 教師の指導性 / 子どもの主体性 / 教科の論理 / 集団づくりの論理 / 授業のユニバーサルデザイン |
研究概要 |
本研究の目的は、特別支援教育の知見を援用しながら、体育の学習集団論を再構築することにある。H.24-25年度は、初任者教諭を対象にアクション・リサーチを、香川・東京・鎌倉で実施し、情報交換を進めてきた。またこれまでの研究成果のレビューを行い、本研究の途中の研究成果報告として学会発表(2件)を行った。特に、授業研究コミュニティ香川においては、初任者教員1名を対象に、1年間のアクションリサーチを行った。また授業研究コミュニティ東京においては、複数名の初任者教員を対象に授業研究カンファレンスを数回行った。主な研究成果は以下の通りである。(以下の理由で、体系的な体育の学習集団形成に取り組めなかった) (1)初任者はまず、学校の仕事の全体像が掴めない。一週間、一ヶ月、一学期がどのように過ぎていくのか見当がつかない。また校内の子どもたちの委員会活動や学校行事の展開の仕方などなどのイメージが全くなく、学級経営の方針を立てることさえできない。こうした中で、多様な子どもたちを捉えながら的確な教育指導を組み上げていくことは極めて困難である。基本的な学級経営の技術、基本的な授業の技術を習得する期間が必要であった。 (2)小学校の場合、国語や算数の授業に関して、初任者担当教諭から丁寧な指導を受け、また校内の授業研究が繰り返される。初任者教員は、土日を次の週の授業準備にすべて費やすような毎日を送っていた。12月の校内研修では、専門の体育授業を行い、高い評価を得た。 (3)初任者教諭は、子どもとの関わりに十分な力を身につけている訳ではない。多様な子どもの言葉をしっかり受け止め、相手に響く言葉で指導できるようになるには年数がかかる(初任者担当教諭の言)。研究対象の新任教諭も、課題のある子どもと交換日記を交わすなど、丹念な関わりを続けていた。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
初任者担当教員に、異質共同の学びにつながっていくような、質の高い教育実践を展開することを、本研究は目指していた。しかし、対象の学校における初任者担当教諭や研究会での他の教諭たちからも、研究課題に無理があると指摘された。附属学校のベテラン教諭でも、なかなか学級経営が難しい時代である。もっと初任者教諭の力量に相応しい研究の取り組みが必要であると指摘された。
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今後の研究の推進方策 |
次年度は、一年間の学校の流れを理解した新採2年目の教諭を対象に、アクションリサーチを展開する予定である。すこしでも研究計画に近づくような取り組みを目指したい。
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