研究課題/領域番号 |
22500548
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研究機関 | 鹿屋体育大学 |
研究代表者 |
山田 理恵 鹿屋体育大学, スポーツ人文・応用社会科学系, 教授 (60315447)
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研究分担者 |
榊原 浩晃 福岡教育大学, 教育学部, 教授 (50255220)
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研究期間 (年度) |
2010-04-01 – 2014-03-31
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キーワード | 身体教育 / 身体運動文化 / 伝統スポーツ / 打球戯 |
研究概要 |
本研究は、日本各地に伝わる伝統打球戯について現地調査および資料調査を行い、それらの文化的意義を明らかにするとともに、 学校教育プログラム等における継承事例の検討を通して、現代の身体教育における伝統的運動文化の意味と在り方について考察を行うものである。 平成24年度は、研究期間の3年目であり、主として近代における伝統打球戯の展開について、図像史料を中心に資料調査・収集を行い、吟味した。また、山形水野家附伝の騎馬打毬と徒打毬(山形県山形市・豊烈神社)、桑名の打毬戯(三重県桑名市)について現地調査を行った。 日本の伝統打球戯が学校教育プログラムに組み込まれ継承されている事例としては、桑名の打毬戯を中心に、伝統打球戯の教材化と現代への適応化という観点から考察するとともに、伝統的運動文化を現代の身体教育において継承することの意義と課題について検討した。さらに、近代の学校教育に伝統打球戯が継承された背景として、大瀬甚太郎(1865<慶応元>年-1944<昭和19>年)と山松鶴吉(1872<明治5>年-1942年)による『講習用書 小學校敎育法』(同文館蔵版、1907年)を手がかりに、当時の体育論、体操科の教授法や教材論、遊戯論について明らかにした。 また、コンスタンチノープルにおける打球戯チカニオンについても検討した。同遊戯は、東西スポーツ文化の伝播を考察するうえでも注目される。 本研究において得られた資料については、整理・吟味し考察を行い、情報として蓄積した。また研究成果を、学術論文、学術書、学会発表等において公表した。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
1: 当初の計画以上に進展している
理由
特に近代の学校における教材としての伝統打球戯の実態について考察を行い、新たな知見をもたらすことができた。 さらにその背景となる、当時の教育者による体育論、教材論、遊戯論に関する著述を取り上げ考察を行ったことは、本研究の新たな展開として位置づけられ、評価される。
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今後の研究の推進方策 |
今後も、継続して日本の伝統打球戯に関する資料の調査・収集を進めていくが、研究を進めるなかで、新たな打球戯に関する情報があれば、その資料収集に重点を置くこととする。また今日まで継承されている伝統打球戯については、可能な限り現地調査を行う。 また、本研究の最終的なまとめとして研究成果を整理・考察し、研究成果を積極的に公表する。
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