(1) 対象群の類型化とベースラインデータの収集 世田谷区、町田市、横浜市の4箇所の保育園、幼稚園に調査を依頼した。日頃の保育の実態を参与観察により把握し、4箇所がいずれも、幼児の遊び活動に充分配慮し、環境整備に意欲的な施設であることを確認した。3園で遊びの実践プログラムを行い、残りの1園では対照群としてデータを収集するため、非活動的な室内系のプログラムを実施した。保護者はリサーチへの参加が難しいため、質問紙調査により育児方針、子どもの力の評価等について把握した。さらに、保育者へのインタビューを行い、保護者との異同を把握した。 (2) アクション・リサーチの実践 3箇所の園で遊びのアクション・リサーチを各2回実施した。リサーチはNPOコドモ・ワカモノまちingと協働で行い、園のスタッフも参加した。プログラム中に子どもの意見を聞きながら、遊びの内容を展開し、終了直後に子どもと保育者から意見を聴取し、改善点等を把握、2回目のアクション・リサーチに反映させた。対照群の園では、インプロの手法を導入した演劇プログラムを実施した。 (3) 共感性と行動制御力の測定 ベースラインデータとして4歳時点での共感性の水準を紙芝居をもとにしたストーリー中の人物への共感度より把握した。遊びプログラム前後でGONOGO装置を用いて、行動制御力を測定し、前後のデータや園間比較を行った。対照群では、通常の保育を実施し測定を行い、プログラム実施の場合との比較を行った。
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