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2010 年度 実績報告書

「体験活動」における「身体的体験」の研究

研究課題

研究課題/領域番号 22500551
研究機関東海大学

研究代表者

久保 正秋  東海大学, 体育学部, 教授 (30119672)

キーワード体験活動 / 身体的体験 / 感性の教育 / 身体教育 / 生成としての教育 / 身体運動
研究概要

本年度は研究計画に従って、課題1.「身体」と「身体運動」に関する教育的理論の検討、課題2.「体験活動」における「身体運動」の実態調査を行った。
課題1に関しては、従来の「発達の論理」が支配する教育ではなく「生成としての教育(矢野・亀山)」という観点から「身体運動」を捉え直し、それをルソー、デューイ、ヤスパースの教育に関する論議のなかに位置づけることを試みた。その結果、ルソーの「自然」、デューイの「経験」、ヤスパースの「自己生成論」において、教育としての「身体運動」の新たな位置づけを見出すことができた。すなわち「身体運動」は、人間の身体的発達において教育的価値を有するのみならず、ベイトソンの「三重のサイバネティックスモデル」において人間(「個のシステム(I)」)が「社会システム(II)」を超えて「エコ・システム(ルソーの自然)(III)」へ溶け込み、「自己という存在の意味」を知ることによって「自己生成(ヤスパース)」という「体験(デューイの経験)」を生起させる点においても教育的価値を有するという位置づけである。これらの成果を纏め、日本体育学会第61回大会体育哲学専門分科会シンポジウムにおいて口頭発表を行った。さらにその内容を論文として纏め、体育哲学研究に投稿し、受理された。
課題2に関しては、先の「エコ・システム(自然)(III)」における「自己生成」の「体験」が、実際の「体験活動」においてどのように生起するかの検討を試みた。今回の研究期間では、その予備的な調査として、現状の「体験活動」プログラムにおいて「身体運動」がどのように位置づけられているかの調査を行った。その結果、多くの「体験活動」プログラムが「身体運動」を活動の中心としているものの、その結果によって得られる「経験」を重視し、「身体運動」そのものの「体験」に注目していないという実態が明らかとなった。この詳細な検討は次年度の研究課題となる。

  • 研究成果

    (2件)

すべて 2011 2010

すべて 雑誌論文 (1件) 学会発表 (1件)

  • [雑誌論文] 体育哲学における学校体育論議の検討と視界(2)学校体育論議の起点としての哲学的源泉-体育はこどもたちをどうしたいのか-2011

    • 著者名/発表者名
      大橋道雄・久保正秋, ほか
    • 雑誌名

      体育哲学研究

      巻: 第39号(印刷中)

  • [学会発表] 体育哲学における学校体育論議の検討と視界 体育哲学の視界2010

    • 著者名/発表者名
      久保正秋
    • 学会等名
      日本体育学会第61回大会体育哲学専門分科会シンポジウムA
    • 発表場所
      中京大学
    • 年月日
      2010-09-08

URL: 

公開日: 2012-07-19  

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