研究課題/領域番号 |
22500559
|
研究機関 | 弘前大学 |
研究代表者 |
戸塚 学 弘前大学, 教育学部, 教授 (40241450)
|
研究分担者 |
中路 重之 弘前大学, 医学(系)研究科(研究院), 教授 (10192220)
|
研究期間 (年度) |
2010-04-01 – 2015-03-31
|
キーワード | 少年期 / 体力 / 運動習慣 / トレーニング / 生活習慣 |
研究概要 |
生活習慣病予防のための身体教育は、少年期の体力や運動習慣を考慮し、小学校から中学校にかけての一貫した取り組みが重要であると考える。われわれの予備的調査では、小学6年次に体力的に低値を示した女子児童は中学2年次にも同様の結果を示し、さらに、運動習慣についても全く改善されない傾向を示した。本研究では、小学5年次から中学2年次の体力・身体機能の変化、生活習慣の変容について継続的に調査し、 体力推移のパターンとそのバックグラウンドについて分析する。 平成24年度は、小学校5年次から中学2年次までの4年間の追跡調査3年目であり、基礎データ蓄積を主な目的とし、青森県弘前市岩木地区の中学1年生を中心に、小学5年生から中学2年生に対し、生活習慣に関する調査(生活リズム・運動時間等に関するアンケート調査)、身体機能(身体組成・四肢血圧・骨密度)および体力測定(握力・反復横跳び・立ち幅跳び・上体おこし・体前屈・等尺性脚伸展筋力・PWC150・全反応時間)を実施した。 これまでの調査の結果,生活習慣については小学校から中学校にかけて全体としては運動時間の増加、睡眠時間の減少、そしてTV・VG時間の増加等がみられた。しかし、それぞれの指標の変化の度合いは男女で異なっていた。身体組成、身体機能については、発育発達に伴い男女ともにBMIの増加、女子の体脂肪率の増加等が示され、小学校から中学校にかけて運動時間,筋肉指数,BMIが増加した者ほど骨密度が高くなる傾向がみられた。体力・運動能力については、男女ともに全測定項目で増加する様相が示された。しかし、小学校から中学校にかけての運動習慣の変容との関連で見ると、運動時間の増加が必ずしも体力・運動能力の全測定項目に寄与していない可能性が示唆され、今後の分析課題が明確となった。
|
現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
本研究では、研究期間内に①小学5年次から中学2年次の体力・身体機能の変化、生活習慣の変容について明らかにすること。(縦断的分析)そして、②①のデータをもとに体力推移のパターンとそのバックグラウンドについて分析し、子どもの体力推移パターンを考慮した小中学校連携による体力トレーニングモデルを開発するためのスポーツ科学的エビデンスを提供する(実践的検討)ことが目的である。①については、計画どおり年次進行で研究が進んでおり、平成22年度から平成24年度まで3年間、小学5年生から中学1年生まで継続して身体機能(身体組成・四肢血圧・骨密度)および体力測定(握力・反復横跳び・立ち幅跳び・上体おこし・体前屈・等尺性脚伸展筋力・PWC150・全反応時間)、そして生活習慣に関する調査(生活リズム・運動時間等に関するアンケート調査)が完了している。さらに、横断的研究データの蓄積を目的として、追跡調査対象学年以外の測定(小学5年生から中学2年生)を継続している。また②については、生活習慣と身体組成に関する一部データを分析し、関連する学会において研究成果を公表している。
|
今後の研究の推進方策 |
研究計画の変更および研究を遂行する上での問題点は、現時点では特に見当たらない。 25年度は、24年度に引き続き弘前市岩木地区中学校2年生(昨年度被験者とな った生徒)を対象に、体力・身体機能、生活習慣に関する調査を9月~10月に実施し、継続的研究を推し進め、同時に研究データ取りまとめに必要な資料の収集をする。25年度は4年間の継続的なデータ収集の最終年となる。 また、これまでの3年間のデータを取りまとめ横断的な検討を試み、一部の結果を公表する予定である。さらに、研究期間の最終年度となる26年に向けて研究データの整理を進めるとともに、参考資料の収集・整理等にシフトして行く。
|