研究概要 |
本研究の目的は,体育科を指導する小学校教員の職能意識について、「体育科の指導」「教師の成長」「研修」の視点から,東京都、岡山県、三重県を対象とした悉皆調査を実施し、あわせて児童調査を加え実証的に明らかにすることにある。本年度はこのうち、小学校教員が、「体育科の指導」「教師の成長」「研修」についてどのような職能意識を持っているのかについて、東京都の小学校教員に対する悉皆調査を、教育委員会、校長会、国立政策研究所の協力を得て行なった。60%を越える回収率と、11000を越える有効データー数を得ることができた。体育派の指導は,得意とする教科指導の3番目に挙げられると同時に、5番目に苦手な教科となるなど、これまでにない重要な調査結果をえている。また、教職歴に応じて、授業を計画し実践する際に使用する資料が異なっていること,研修機会や内容について、性別や教職歴、免許取得期間等の違いから、顕著な違いが見られるなど、今後の研修を考える上で,重要な知見も得ている。計画では、この後岡山、三重での悉皆調査を行う予定であったが,比較項目や東京都の分析に時間を要したために、児童調査も合わせて来年度の当初に調査を行うように計画を修正した。また、調査結果を集計・分析を、東京都、各市区町村の教育委員会、管理職に対してヒアリングを行ないつつ進め、小学校教師の「成長モデル」に対する理論的検討も行なった。ここまでの途中成果の一部については、日本体育学会シンポジウムや教育専門雑誌において公表した。また、東京都で行なわれたいくつかの校内研修会、東京都小学校体育研究会等での研究活動、講演活動の際に活用した。
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