研究課題
世界的にスキー滑走は摩擦融解説を基礎にした潤滑摩擦として説明されているが、そうとも言えない事実が幾つか指摘されている。我々はスキーの摩擦メカニズムを解明するため、粒子径の異なる雪を用いて静摩擦係数の待機時間依存性を測定した。摩擦現象研究の難しさは真実接触面積が測定できないため、摩擦メカニズムを特定しにくいところにある。今回は雪の粒子径を変えることにより真実接触面積を明らかに大きく変える事ができた。また、同じ雪を用いた動摩擦係数の速度および温度依存性との比較から、雪の摩擦現象は雪の持つ物理的性質、すなわち凝着力およびそのせん断応力の温度および速度依存性により説明できることを見出した。摩擦現象のメカニズムの研究は、スノー・スポーツのみならず雪崩、屋根雪の落下や歩行者、自動車のスリップなどの安全対策に応用できるものと考えている。
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