研究概要 |
わが国のスポーツ政策研究は、海外のスポーツ先進国の情報が不足しており、また開発途上国に対するスポーツ支援事業が期待されている。本研究の目的は、スポーツ先進国のスポーツ振興政策を比較研究し、開発途上国におけるスポーツ支援の事業とニーズを調査することによって、わが国の開発途上国に対するスポーツ支援モデルを開発することにある。2010年度は、先行研究のレビューと国際比較調査(文科省委託調,2005:TAFISA国際調査,2001)により、先進国調査と開発途上国調査のインタビュー用調査票を作成した。先進国調査は、フィンランドにおいて、ウェブサイト調査と現地でのヒアリング調査を実施した。フィンランドにおいては、スポーツ振興政策と健康政策のコラボレーションが進められていた。また、IOCスポーツ・フォー・オールコングレスに参加し、先進国のスポーツ振興政策に関する情報を収集した。途上国調査においては、マレーシア政府のスポーツ・青少年省を訪ね、スポーツ政策と巣オーツ人口調査の資料を収集した。また、スポーツ振興の民間非営利団体であるMARFIMAを訪ね、スポーツ振興やマレーシア国際駅伝に関するヒアリング調査を行い、関係資料を収集した。マレーシアにおいては、「ルック・イースト政策」により,日本に学ぼうと意欲が高く、スポーツ振興においても、日本発祥の駅伝が日本からのパイオニアにより伝播し、青少年を含めた体力増進に大きな貢献を収めている。これまでの文献調査、スポーツNPO/政府調査、先進国調査、開発途上国調査の研究結果をまとめ、スポーツ・健康づくり関係雑誌に発表した。
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