本年度は初年度に収集した,ジュニア期のトレーニング構成について,旧ドイツ民主共和国で,サポート研究の中心を担っていたロスト氏等による,2009年に公刊した「ジュニアトレーニングハンドブック」を翻訳した。更に,同年に公刊された「スポーツ強化指定校におけるタレントの発達」を分析し,2000年前後に行なわれた,大規模な「適性診断」と「競技育成」の縦断研究の成果を確認することができた。科学的な測定データのトレーニングや試合への活用がどのように行われたのか,という点については,フェンシングやカヌー競技,陸上競技の投擲種目を中心に分析を行った。 ジュニアトレーニングにおける負荷の最適化については,予測診断されたトップパフォーマンス構造から演繹された各年齢段階ごとのトレーニング課題を明確にするとともに,ジュニア期における試合を,シニアの試合の単なるミニチュア版ではなく,ジュニア期のトレーニング課題に対応したものに変更する大胆なジュニア試合論も提案されている。
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