研究概要 |
1.研究目的 (1)時間的安定性足踏み動作から下肢動作の時間的安定性を明らかにし、高齢者転倒防止に役立つ基礎データを提供すること。(2)空間的安定性と時間的安定性との比較をし、加齢による時間的安定性の変動を明らかにする。(3)時間的安定性と疲労性に影響する諸要因の究明。 2.計測と計算 少年者から高齢者40名の被検者を用いて,高速連続足踏み動作を行った。ビデオカメラを用いて撮影し、被検者の下肢の変位を検出した。動作解析と同時に、被検者の股関節屈曲力の計測も行った。 動作の時間的安定性は,膝が到達した最高点の時間的ばらつき(変動係数)として検討した.15秒の計測期間を開始期、中間期及び終了期に分け動作の安定性や疲労性を検討することにした。 3.結果 動作の安定性について、開始期において、男子少年、中年及び高齢群、女子の少年、中年群の変動係数の平均値は、総平均値より大きく、そのうち男子は有意に大きかった。一方、終了区間においては、男子では青年群、女子の各群の値は総平均値より大きく、そのうち、青年と高齢群は有意に大きかった。開始期について、青年群と高齢群では、女子の変動係数は男子より有意に大きかった。終盤期について、少年群を除き、女子の値は、男子より有意に大きかった。以上の結果から、動作の開始期では男子の動作の不安定傾向が見られたが、女子では動作の終了期では、疲労による不安定の傾向が見られた。また加齢による影響も見られた。
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